乃木坂

□共依存
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「うわ...最悪。」

乱れた制服を正しながら鏡の前に立ち首筋にできた歯型に眉を顰める

「麻衣、歯型は誤魔化しようがないからやめてって言ってるでしょ」

「感じてたくせに〜」

「あほ」

ぺしっと頭を叩きはぁっとため息を吐く

「もう7時じゃない。早く七瀬ちゃん迎えに行ってあげれば?」

「絵梨花はどうすんの?」

「そろそろ美彩が迎えに来る。」

「あーね。はいはい。じゃーね」

制服を整えながら生徒会室から廊下に出ると夕日に照らされていた廊下は暗くしんと静まり帰っていた

ブレザーのポケットに手を突っ込み図書室へと向かう

図書室を覗き込むと机に突っ伏す西野が目に入る

「七瀬」

「あ!まいやんっ」

西野に声をかけるとぱっと起き上がり嬉しそうに微笑む

2時間も待たせたのに怒りもせず嬉しそうに駆け寄ってくる西野に安心し背中を向ける

「帰るよ」

そう声をかけ1人で歩き始める白石に慌てて荷物をまとめ駆け寄ってくる

「何してたの」

「本読んだり...まいやんのこと考えてたっ」

えへへっと照れたように笑う西野の顔に手を添え軽いキスをする

「へ?」

突然の出来事に目をぱちくりとさせ暫くフリーズしたあと顔を真っ赤にする西野の顔を覗き込む

「なーに?」

「いや...その...」

「付き合ってるんだからキスぐらいするでしょ」

「...せやけど」

「ダメ?」

「ダメちゃう!突然やったから...恥ずかしくて...」

「そう」

ニコッと微笑みまた歩き出す白石の手を掴み引き止める

「何?」

「手...繋いだらあかん?」

「...いいよ。帰ろ」

「うん!」
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