乃木坂

□アイス
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バイト帰りぶらぶらしながら歩いているとに母からメールが入る

"ごめん。飛鳥ちゃんと喧嘩しちゃって
迎えに行ってあげて"

またか...と家まで5分の距離にあるバイト先からそのまま家から近い公園へと向かう

今は夏の夕方でまだ明るいからいいものの、飛鳥は可愛いんだから少しは危機感をもってほしいなぁ

母も飛鳥も子供だからすぐに喧嘩する
喧嘩の内容もいっつもそんなことかと思うような内容で9割が母に責任がある
まぁ、普通ならそんなに怒んないことではあるけどね。

公園の中を除くと案の定可愛い可愛い妹がいた



「飛鳥」

「...なに」

「帰るよ」

ブランコに座り不貞腐れている妹、飛鳥の手を引くが動こうとしない

「やだ」

小さくて細い飛鳥を無理矢理動かすことは簡単だが、そんなことをすれば殴られるだろうな。可愛い飛鳥に素手で殴られるならやぶさかではないんだけど、それじゃ効かないことをしって物を使うからガチで痛い
ここは慎重に行きましょう

「飛鳥。お母さんが心配してるよ?」

「知らない」

「もう...何があったの?」

「...」

下を向いたまま口を噤む飛鳥の手を取り喋り出すまでじっと待っていると顔を少しずつ上げ目が合うと瞳を潤ませ唇を噛む

「そんなに強く噛むと痛いよ」

「飛鳥悪くない」

「うん。それはわかってるよ。」

「ママ嫌い」

「どうして?」

「飛鳥のアイス食べた」

そんな理由!?っと思わず吹き出しそうになるのをなんとか抑え飛鳥の頭をポンポンっと撫でる

「しょうがないな。お姉ちゃんが飛鳥の食べたいの買ってあげるから」

「...いくつ?」

「3つ」

「いや」

「いくつほしいの?」

「...決めてない」

ということは好きなだけ買いたいということだね...はぁ...財布の中身あったかな

「わかった。好きなだけ買っていいから帰るよ」

「言ったからね。絶対だからね!」

はいはいと手を出すと珍しく素直に繋いできてニヤニヤしてしまう

「何ニヤニヤしてんの」

「いやー。飛鳥が可愛くて」

「...うるさい」

怒って手を離されるのかなっと思ったけど手は繋いだままで少しぎゅっと強く握られた
え?やだ...誘われてる??
お姉ちゃん飛鳥のことなら今すぐにだって抱きたいんだよ????分かってる?

「変態。ばーか。あーほ」

どうやら顔に出ていたようで足に蹴りをいれながら罵るという高等テクを使われる
足を蹴られた衝撃で財布の中身が今は空っぽだったことを思い出す

「あれ?お財布の中身あったかな??」

「は?」

「ちょ、ちょっと確認しマース」

財布を開けて確認すると中に入っていたのは飛鳥の可愛い写真が数十枚と46円のみ...
恐る恐る顔を上げると無表情で睨みつけてくる飛鳥がいる

「あのぉ...」

「買って」

「いや、その、お金がですね?」

「コンビニでおろせるでしょ」

「ほら、コンビニだと手数料取られちゃうし...」

「そんなの知らないよ。なんでも買うって言ったのはお姉ちゃんでしょ」

「お願い!愛してるから!」

「そんなの当たり前でしょ!いいから、買って!じゃないと、飛鳥帰んない」

ううう...手数料痛い出費なんだよなぁ...
ん?まって?愛されてることが当たり前って言った?
え!なにそれ!超可愛いじゃん!
うん!かわいい飛鳥の為だもの!安いもんよ!

「分かった!コンビニいこ!」

その後2袋分のアイスと3袋分のお菓子とジュースを買わされ、肩を落としながら帰っていると

「お礼」

っと可愛らしく背伸びをしながらキスをしてくる飛鳥に悩殺され夜中に襲ったのは想像できる話



え?荷物??そんなの全部私が持ってますよ。
可愛くてか弱い飛鳥ちゃんに重い荷物なんかもたせられません!!


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