乃木坂
□あしゅとお買い物
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「ねぇ」
「ん？」
「服買って」
バイトから帰ってきて靴を脱いでいると後から背中を軽く蹴られる
え？この子私に服買って欲しいんだよね？なのになんで、蹴ってるの？？
いや、まぁね？やぶさかではないからいいんだけど。
というか、御褒美なんだけどね？
「いいよ。行こうか」
満足したように靴を履く飛鳥に頬も緩むよ！
ただね、その靴私のだし部屋に置いといたはずなんだけどな！
まぁ、いいけどね！
「早くして」
「はっはい！」
前回のこともあり銀行に連れていかれかなりの量の万札を引き出すように言われた...
どんだけ買うつもりなんだろ...うぅぅ
貯金残高を見た飛鳥がぼそっといっぱい買っても大丈夫そうだなっと呟いたことに焦りを覚え肩を落として歩いていると
「玲奈？」
「？」
声のする方に顔を向けると高校の同級生で高嶺の花と謳われていた七瀬が笑顔で手を振っていた
「七瀬！」
「ほんまに玲奈やー！なんや、久しぶりなきーするな(笑)」
「2年ぶりくらいじゃない？七瀬が大阪に帰っちゃったからなかなか会えなくて寂しかったよぉ」
「ホンマに思うてる？」
「あったりまえじゃん！！関西弁やっぱり可愛いなぁ！」
久しぶりの関西弁に頬が緩みついついだらしない顔になってしまう
そんな私の頬を摘みふわっと笑う七瀬にとけそうになる
「変わらへんなぁ。相変わらず変態やな」
むむ！？変態とは心外なっ
「変態だったことなんて1度もないよぉ」
「何言うてるん。ようセクハラしてきたやん」
「セクハラなんてしてましぇん！」
「はぁ...訴えたろか」
「ご、ごめんなさいいい。だって、七瀬が可愛いのが悪いと思うの」
「あほ。てゆか、何してるん？」
「ん？ああ！妹と買い物にね！」
飛鳥のことを紹介しようと後ろを振り向くとかなり機嫌が悪そうに無表情で睨んでくる
「ええと...この子！私の妹の飛鳥！可愛いでしょー」
「こんにちは。」
「...こんにちは」
ニコニコとしている七瀬に対して無表情のままの飛鳥に焦る
なんでこんなに怒ってるの...放置してたから？
「七瀬さんって言うんですか？」
「はい」
「お姉ちゃんがお世話になりました。あの人可愛い人なら誰に対してもセクハラするんで申し訳ないです」
そっそんなことないよ！なんてこというんだよおおお
「そうなん？やったら、飛鳥ちゃんも大変やろなぁ...。」
「ほんとですよ」
「ちょいちょい。お姉ちゃんそんなに飛鳥にセクハラしてないよね！？」
「...お姉ちゃんがしてる事言っていいの？」
「んん。だめ！」
「ってことは、してるってことやんな」
んがっ！墓穴を掘った...
言い訳をしようとすると七瀬の持っている携帯が鳴る
「あ、ごめんな。
もしもし？どうしたん？え！？もう着いたん！？ごめん！すぐいくなっ」
「麻衣？」
「うん！ほないくな！」
「分かった！麻衣にもよろしく言っといて！」
「わかった！ほななー！」
可愛く手を振りながら走り去っていく七瀬の後ろ姿を眺めているとふくらはぎに鈍痛が走る
「いったぁ！」
「...」
無言で睨みつけたあと早足で歩き始める飛鳥に置いていかれないように追いかける
「あしゅう。まってよぉ」
飛鳥の手を掴むと触んないでっと振り払われる
「...いい加減にして」
「...」
「飛鳥、わがまますぎるよ。いつまでも優しいお姉ちゃんじゃないんだよ」
「私が悪いっていうの」
「じゃあ、私が悪いの？何もしてないじゃない。」
「...」
道端で喧嘩するわけにも行かず下を向いて黙っている飛鳥の手を引き人気の少ない路地裏に入る
「飛鳥、言わないとわからないよ」
「...お姉ちゃんにとって」
「ん？」
「玲奈ちゃんにとって私はただの妹なんだね。」
ん？ん？
どゆこと？そんな訳ないじゃないか
可愛い妹だけど、それだけじゃないし
「私の前で他の女の子にデレデレして、確かに七瀬さんは可愛いけど...」
そう呟くと飛鳥の可愛い頬に涙が伝う
「嫉...妬？」
「ばか！」
私の胸をどんどんと叩いてくるがそれすらも可愛くて愛おしくて飛鳥の可愛いその口に今すぐ食らいつきたい
いや！食らいつく！
飛鳥の手を掴み驚き見上げてくる飛鳥の頬に手を添え触れるだけのキスをする
ちゅっちゅっとリップ音を立てると頬を赤く染める
やだ、超可愛いんだけど...
母さん...ごめんね。私は妹に手を出すクズ姉です。
「飛鳥...ごめんね？」
「服...いっぱい買ってくれたら、許す」
「うん！いーーっぱい買ってあげるっ」
厳しくしすぎれないというか、厳しく出来ないのが私のダメなところだな。
でも、飛鳥が可愛いんだから仕方ないなっ
...毎度毎度買う量はまったく可愛くないんだけどね