劇団員たちと見る夢

□不思議な国に落ちたら
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「………必ず行く

アンタが不思議の国に落ちたら……



俺、必ず行くから………/////



そして、旅に出る…………」






いつもはもっと簡単にカントクへ愛ある言葉を言えるのに

今は何故か気恥ずかしさがあった…………
















「……………ありがと、真澄くん♪」





カントクの明るい声に俺は顔を上げた




そこには大好きな……




そしていつも以上にキラキラした
カントクの笑顔があった

















不思議な国に落ちたら

君とふたり 旅に出ましょう

不安だらけの世界も

君とだから うまくやれそうさ

君とだから うまくやれそうさ


















「さ…!そろそろみんなも帰ってくると思うし、先にふたりで稽古場行ってようか♪」





カントクが台本を持って立ち上がったので、俺もそれにならった




そして稽古場に続くドアに手をかけたカントクに
俺は後ろから声をかけた



「カントク…………」


「ん…?なに?」


カントクが少し振り返ってこちらを見た




「…………あのさ

















来てくれてありがとう……………」












どうしてそんな言葉が口をついて出たのか
俺にもよくわからなかった……


でも、カントクが不思議の国に来てくれるって言ったから…










「ん〜?…………ぁ、空港のこと?

お礼なんていいよ


それより…………」









カントクが向き直って、俺の正面に立った


真っ直ぐな瞳が俺を見る












「…………真澄くん













この劇団に来てくれてありがとう」



「………………………」





そう言ってまたとびきりの笑顔を見せてくれた




カントクはよく童顔だとか、子どもっぽいとか言われてるみたいだが…

この笑顔は、幼いのではなく






純真、なんだと思う……











可愛らしくて、愛しすぎて

それにその言葉が嬉しすぎて……




返せる言葉がなかった














不思議な夢が覚めたら

君になんて 話をしよう

来てくれて ありがとうって

少し照れながら 伝えよう




不思議な国に落ちたら

君とふたり 旅に出ましょう

不安だらけの世界も

君とだから うまくやれそうさ


















ーーーーーーーー
















夕飯後の談話室は騒がしい………






「ワタシ、タイチのマネができるようになったよ!みんな聞くね

オレっち、タイチっすダヨ!
カントク先生、今日も可愛いっすネ〜♪

オレっち、カントク先生とユキちゃんの犬っす!命令して欲しいっす、ダヨ\(^^)/」


「ちょっと!俺っちそんなじゃないっす…!!////

しかも監督先生と幸ちゃんの犬とかって… 何か意味合いちが……////」


「ねーね〜 ここにあった三角しらない?
カントクにあげようと思ったの〜」


「……………マシュマロ………すぅ…💤」


「ハッ!詩興が沸いたぞ\(^^)/
自分の類稀なる才能が恐ろしい〜〜!♪」











賑やかすぎるほどの談話室を見ながら俺は思った……


















「……………………ワンダーランド…………」








すると近くにいたカントクが吹き出してケラケラと笑いだした




「やだ……w 真澄くん……w

このメンバー見て、ワンダーランド…とかwww」





カントクがお腹を抱えて笑ってるので、綴が不思議そうに声をかけてきた





「監督……?ど、どうしたんですか?」


「綴くん、聞いて……w

真澄くんが、このメンバー見て『ワンダーランドだ』って……www」




綴も談話室を見回す……





「……あ〜、確かに(^^;











不思議な人たちばかりですもんねw」

















物語と違うとすれば


これは夢ではないということ………








不思議だけど… 大事な家族………

























「カントクが………




すごい笑ってくれた………😳」




















〜fin〜


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