劇団員たちと見る夢
□あんたわかってない
1ページ/2ページ
うちの監督は…… ちょっと抜けてる
なんていうか… 鈍感で、たまに無意識でとんでもないことをやらかす
そんな監督に劇団の男どもはドギマギさせられっぱなしだ……
ーーーーーーー
食後の談話室……
団員たちがくつろいでいるところに監督もいた
「……万里くん、万里くん!」
「あ…?なに?監督ちゃん…」
「万里くんのピアスって……
何個空いてるの?」
「ーーーっ?!////」
万里は驚いて体をのけぞらせていた
それもそのはず…… 監督が手を伸ばし、隣に座る万里の耳に触れたからだ
「か、監督ちゃん………////
いきなりそーゆーのは、ちょっと………」
「あ、ごめんっ…… 痛かった??」
「………うわ、全然わかってねーのな……////」
「………??」
見ていた俺は呆れた………
無意識であんなことをやっちゃう監督はホント
たちが悪い
そして万里はというと、照れ隠しというか負けず嫌いというか… 今度は逆に監督に迫っていた
「………監督ちゃんも、おそろにする?」
そう言って監督の耳に軽く触れる…
(万里のやつ……… 余裕ある男アピール…?
めっちゃ驚いてドギマギしてたくせに…)
オレは心の中でそう思った
そして監督はというと……
「ゃ、ぁ………万里くん///
くすぐったいよw」
「「「 ーーーー??!//// 」」」
その場にいるみんながその光景にドキっとしただろう……
くすぐったさに身をよじる監督………
「監督ちゃん、耳弱いんだぁ〜♪」
「監督先生、可愛いっす!////」
「じーーー……😒」
「…………なんだよ?幸…💢」
「べつにぃ〜〜…」
ーーーーーーー
また別の日
オレが談話室に行くと、太一と監督がドラマを見ているところだった
「うぅ〜〜!このラスト、めっちゃ泣けるっすぅ〜😭
飼い主に寄り添うこの犬が健気で可愛いっすよね〜」
「そうだねっ…… すごい涙誘われた…」
太一と監督、二人そろって目を潤ませている
そしてエンドロールが流れ始めたとき……
「…………太一くんとあのワンちゃん、ちょっと似てるよね♪
毛がふわふわなところとか……」
「ーーーーー?!/////」
太一が一瞬で硬直した……
監督が太一の髪を撫でたからだ
要するに頭ナデナデ状態……
「監督先生…!いつも言ってるけど、俺っち
犬じゃないっす////」
「犬っぽいって言いたいわけじゃなくて…
何だか、あの健気な感じとか…憎めない感じの雰囲気とか……似てるなぁって♪」
そう言いながらずっと太一をナデナデしてる監督……
「そ、そんなに…… 似てるっすか……?////」
「似てる似てる(^^)♪」
「……監督先生がそう言うなら😳」
そんな二人を見て思う……
デレデレする太一も太一だが、監督もやっぱりたちが悪い……
「じーーー……😒」
「…………な、なんスか、幸ちゃん…💦」
「べつにぃ〜〜…」
ーーーーーーーーー
そして、極めつけは………
ある日の食後
「………ぁ、真澄くん
ちょっと待って〜」
「………なに?」
食事を終え、席を立った真澄を監督が呼び止めた
「口のとこ、何か付いてるよ?」
「………??」
真澄よりも周りのオレたちが固まった……
監督が真澄の口元を拭うように指で撫でたからだ
しかも………
「……………ぁ!ごめんっ
これ、ホクロだよね💦
ごめん、勘違い……w」
自分の間違いを誤魔化すように笑った監督の手を、真澄がすかさず掴んだ
「…………あんた、誘ってる?
俺のことどうしたいの…?」
「ぇ?ぁ…💦ま、真澄くん??」
「あんたに急にこんなことされると、俺…
おかしくなりそう」
「わわわ💦近い近い…!」
自分で引き起こした事態なのに、ここまでならないと気づかない監督は
ホント世話がやける……