劇団員たちと見る夢

□あんたわかってない
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うちの監督は…… ちょっと抜けてる

なんていうか… 鈍感で、たまに無意識でとんでもないことをやらかす


そんな監督に劇団(うち)の男どもはドギマギさせられっぱなしだ……









ーーーーーーー


食後の談話室……

団員たちがくつろいでいるところに監督もいた




「……万里くん、万里くん!」


「あ…?なに?監督ちゃん…」


「万里くんのピアスって……



何個空いてるの?」


「ーーーっ?!////」




万里は驚いて体をのけぞらせていた

それもそのはず…… 監督が手を伸ばし、隣に座る万里の耳に触れたからだ



「か、監督ちゃん………////

いきなりそーゆーのは、ちょっと………」

「あ、ごめんっ…… 痛かった??」

「………うわ、全然わかってねーのな……////」

「………??」





見ていた俺は呆れた………

無意識であんなことをやっちゃう監督はホント
たちが悪い





そして万里はというと、照れ隠しというか負けず嫌いというか… 今度は逆に監督に迫っていた



「………監督ちゃんも、おそろにする?」


そう言って監督の耳に軽く触れる…





(万里のやつ……… 余裕ある男アピール…?

めっちゃ驚いてドギマギしてたくせに…)


オレは心の中でそう思った




そして監督はというと……





「ゃ、ぁ………万里くん///

くすぐったいよw」


「「「 ーーーー??!//// 」」」



その場にいるみんながその光景にドキっとしただろう……


くすぐったさに身をよじる監督………





「監督ちゃん、耳弱いんだぁ〜♪」
「監督先生、可愛いっす!////」





「じーーー……😒」


「…………なんだよ?幸…💢」


「べつにぃ〜〜…」














ーーーーーーー





また別の日





オレが談話室に行くと、太一と監督がドラマを見ているところだった





「うぅ〜〜!このラスト、めっちゃ泣けるっすぅ〜😭

飼い主に寄り添うこの犬が健気で可愛いっすよね〜」

「そうだねっ…… すごい涙誘われた…」




太一と監督、二人そろって目を潤ませている




そしてエンドロールが流れ始めたとき……






「…………太一くんとあのワンちゃん、ちょっと似てるよね♪

毛がふわふわなところとか……」


「ーーーーー?!/////」



太一が一瞬で硬直した……

監督が太一の髪を撫でたからだ




要するに頭ナデナデ状態……





「監督先生…!いつも言ってるけど、俺っち
犬じゃないっす////」

「犬っぽいって言いたいわけじゃなくて…

何だか、あの健気な感じとか…憎めない感じの雰囲気とか……似てるなぁって♪」





そう言いながらずっと太一をナデナデしてる監督……



「そ、そんなに…… 似てるっすか……?////」

「似てる似てる(^^)♪」

「……監督先生がそう言うなら😳」






そんな二人を見て思う……

デレデレする太一も太一だが、監督もやっぱりたちが悪い……





「じーーー……😒」


「…………な、なんスか、幸ちゃん…💦」


「べつにぃ〜〜…」













ーーーーーーーーー





そして、極めつけは………








ある日の食後







「………ぁ、真澄くん

ちょっと待って〜」


「………なに?」





食事を終え、席を立った真澄を監督が呼び止めた







「口のとこ、何か付いてるよ?」

「………??」



真澄よりも周りのオレたちが固まった……

監督が真澄の口元を拭うように指で撫でたからだ


しかも………







「……………ぁ!ごめんっ

これ、ホクロだよね💦


ごめん、勘違い……w」



自分の間違いを誤魔化すように笑った監督の手を、真澄がすかさず掴んだ




「…………あんた、誘ってる?

俺のことどうしたいの…?」


「ぇ?ぁ…💦ま、真澄くん??」


「あんたに急にこんなことされると、俺…

おかしくなりそう」


「わわわ💦近い近い…!」



自分で引き起こした事態なのに、ここまでならないと気づかない監督は

ホント世話がやける……
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