弱虫ペダル 過去編

□sechs
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「じゃーん どや!ワイのばーちゃん家駄菓子屋なんや」


看板には おかしのなるこ と書かれている
どうやら鳴子のおばあちゃん家らしぃ

「ほぉー すごいね」


「せやろ、せやろーっ!
駄菓子は子供のロマンや」


「うん うん」

笑顔で相槌を打つナナ


「あーー!章吉くんがお姫様連れて来とるーー!大変やーー!!鳴ばあちゃーーーんー!!!」


そんな中第三者の声が響き渡る


「みかどのおばちゃん!!
どっから湧いた!!」





ーーーーーーーーーーー

そんなこんなで鳴子のばあちゃん家



「いっやーー、何処の国のお姫様?!こーゆーのなんて言うんやったけ、赤ずきんちゃん?白雪姫?ロリコン?もうなんでもええわ!!」


「みかどのおばちゃん、うっるっさっ‥いでっ」


「おばちゃんじゃなくてお姉さんやろ!!」


どこから出したか分からないおたまで鳴子の頭を叩いたみかどのおばちゃん



ナナは黙っている

(えっと‥‥みかどのおば、いやお姉さんは鳴子くんのおばあちゃん家の近所の人なんだよね‥。うわぁ、頭痛そう‥。ロリコンって危ないやつだよね‥あと、私お姫様とかそんなんじゃ‥てか)

頭の中はプチパニック


「‥ちゃん、おじょーちゃん」

つんつん

みかどのおばちゃんに突っつかれて我に帰る

「‥は、はい!?」


「ま、そんな緊張せーへんで!気楽に行きましょう」


「あ、あのぅ‥」


「みかどお姉さんがうるさいからビビってるんやで」


そんな中 鳴子のおばあちゃんが口を開く


「話には聞いてるで!如月さんとこの孫やろ」


「えっ?知ってるんですか?!」

「ちょっと昔な」

「なんや、うちのばあちゃんとナナのばあちゃん
知り合いやったんか」

「あと、章吉の母さんからとんでもないベッピンさんが隣に引っ越して来たって聞いとったわ
隣の家ゆーたら如月さん家やからな ほっほっほ」


「そうだったんですね‥
あ、すみません自己紹介まだしてませんでした。改めてで申し訳無いのですが」

鳴子のばあちゃんの話を聞いて緊張がほぐれて来た様子


「そんな、畏まらなくて大丈夫やで!ほっほっほ」

陽気に笑う鳴子のばあちゃんにナナは自然と笑顔になる


「私北海道から引っ越して来ました如月ナナです
お世話になると思いますが、迷惑掛けないようにしますのでよろしくお願いします」

ぺこり


「なんもやで
迷惑なんて思わんから章吉と一緒にいつでも遊びにおいで」


「はい!ありがとうございます」


「ウチはなぁ隣にある、みかど食堂や
いつでもウチにもおいで
美味しい料理ご馳走したる!!その代わり小さいの2人おるから遊んであげてな」


「ふふふっ わかりました」



一方、鳴子は駄菓子を大量に食べている

「コラァ 章吉ーー!また店のモン食うて!!100万円や!!」


「ブッ ばあちゃんワイ100万円分も食っとらんで!!」


それを見てクスクス笑うナナであった


「全くやな‥ナナちゃんゆーたか
章吉に払わせるからなんかお菓子選んできぃや」

ニカッ

鳴子の様な笑顔を見せるおばあちゃん


「わぁぁいいんですか?!どれにしようかなー♪」

スタスタ

花を咲かせ駄菓子の海に飛び込んでいった


ふんふんふーん♪



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


「なぁなぁ、章吉くん」

みかどお姉さんがニヤニヤしながら口を開く

「おん、なんや?」


「随分可愛ええ子やなぁ‥フリフリしたドレスみたいなの着て!街中ではあーゆの着てる子沢山おるけど、なんか品が無いんやわー‥なんて名前やったけあーゆー服」


「ああ、ロリータファッションかいな」


「そう、それや!ロリコンや章吉くん」


ガクッ

鳴子が崩れ落ちる

「ロリコンやないってー!ロリータやて!
しかもそれワイがロリコンみたいな言い方やし、なんか危ないわ」


「にしても随分清楚なロリータファッションやなぁ〜やっぱり本物の令嬢やから?絵本から飛び出して来たお姫様みたいでホンマ可愛ええなぁ〜」

ニヤニヤするみかどお姉さん


(しかも、今きちんとロリータファッションゆーたで)


「章吉くんーしょーきちくーん!」


「今度は、なんや?!」

「逆玉の輿やね」

「は?」

「いやー結婚すんのやろ?あのお姫様と」

「‥‥いや、まだワイら出会ったばっかやし玉の輿とかどーでもええし
それにそういう令嬢の結婚ってやっぱお見合いとかやろ?」


「はーー浪速の鳴子章吉しっかりすれボケ
欲しいモンは掻っさらうんが漢ってもんや」

そう言って鳴子の両肩を掴み激しく揺らすみかどお姉さん


「グフッ みかどおばちゃ‥「お姉さんや!」

かコーン

「いってぇーー」



そんな中笑顔でナナは鳴子の元に帰って来た


「章ちゃん、コレお願いしますっ」

ニッコリ


「あ、頭‥」

鳴子の頭には大きな大きなタンコブがありました



「それこーたるから‥もう帰るで
ワイ ツカレタ‥」


グッタリしてる鳴子



「さっき食っとた分も合わせてきっかり1000円やー!章吉、おおきにな」ニカッ



「って‥ばっちゃん!!覚えとったんかい!高っっ」


「当たり前やろ!
これでもまけたほーや ほっほっほ」


「鳴ばあちゃんったら孫からお金取るのやめたげてって何回も言っとるやろ はっはっは」



「ほな、まいどーーまた来るんやでーーナナちゃん」


「ありがとうございまーす!また来ます」


ヒラヒラと手を振り合い、背中を向けた




「章ちゃん、お菓子ありがとね」

ニッコリ


「お、おん」




夕陽に照らされたナナの笑顔が最高に綺麗で騒がしかった1日も幸せに感じられたとか‥。

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