弱虫ペダル 過去編

□sieben
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時間は過ぎて‥‥



私も晴れて中学生になりました


桜がヒラヒラと舞う


ドキドキのクラス発表


タッタッタ

「章ちゃーん こっちこっちーっ」


「そんなん急がんでも逃げへんで」


「えっと‥えっと‥見えない」


「カッカッカ ナナちゃんは背小さいからな」


「もぅ 章ちゃん」


一生懸命ナナは背伸びをしてクラス分けの表を見ようとしていたが、案の定全然見えなかった



「ええからワイに任せとき」


ナナより少し身長の高い鳴子がひょいとクラス分けを見る


ナナはソワソワしている



(鳴子くんと一緒がいいな)


(ナナと一緒だったらラッキーやな)





クラスはーーーー


「おっ、ワイの名前2組に発見」


「‥わた、わたしは?」

緊張で声がうまく出せない


「んと‥如月、如月‥‥あったで
如月ナナ2組‥でワイと一緒のクラスや やったでー!」



「‥やったー」

ぎゅっ


「おっ、」

ナナは嬉しさのあまり鳴子に飛びついた


鳴子は微笑み頭を撫でた




ーーーーなんと、大阪に引っ越して来て、、
いや人生初の友達とクラスが一緒なんて
奇跡!
嬉しい!
安心!ーーーーーーーーー



「本当に嬉しい
鳴子くん改めてよろしくね」


「おう
ワイも嬉しいで 」


ーーーーーーーーーー


1年2組 教室


ドキドキ

(‥これが教室、学校‥‥アニメや漫画、ドラマでしか見たことなかった。なんだか新鮮)

「あ、鳴子くん席決まってるみたいだね」


「ホンマやなぁ‥残念やナナと座ろう思っとったんにぃ」


「仕方がないね
私の席そこで鳴子くんはあっちだから‥また後でね」


「同じ教室やけど、なんだか遠くに感じんな‥ワイ心配やでナナのこと」


「大丈夫だよ
席離れてるけどクラス一緒だし!ふふっ」


「なんかあったらすぐ言いや」

頷いてお互い手を軽く振って席に着いた


すると鳴子くんの席の方から声がする


「お、鳴子やんけ!クラス一緒やな
よろしくな」

「おぉ 西谷!
元気しとったか?」


振り向いて見るといつもの笑顔で友達と話す鳴子の姿があった


他にも小学校一緒だった人達が鳴子に声を掛けて行く




(鳴子くんと殆どの子小学校一緒だったんだ‥そうだよね。
鳴子くんはやっぱりみんなの人気者なんだね。)


曇って行く心の中‥
こんなのいけないと思っているけど、更に心を曇らせる

「あっ章ちゃんや!
低学年の時以来やなーークラス一緒になんの〜」


「えっと‥‥誰やったけ」

バシッ

「ぐおっ」


「章ちゃんひどいわーー杉原実里や!藍子も一緒やでーっ」


「鳴子くん!久しぶりっ」


ガヤガヤ ガヤガヤ

もちろん‥女の子からも沢山話しかけられてるみたい


(なんかモヤモヤする‥
章ちゃんって‥バシッて背中叩いた。っ、ダメダメこんなこと思ったら)



私は下を向いた

そんな中
私に話しかけてくれた周りの子

「ねぇねぇ どこの小学校だったの?」


「‥え」


「この辺じゃ見ない顔だね」


「あ、あの‥」



いきなり話しかけられてびっくり

もじもじする私をじっとみてくる周りの子


「‥えっと」


(ああ‥どうしよう、会話が‥上手く‥どうしたらっ)

私が困っていると頭上から違う声が降り注いで来た

「その子は北海道から大阪に越して来たんや」



「っ‥鳴子くん」


声の主の名前を呼ぶとニカッと笑っていた

「ワイの家のお隣さんなんやでー」



「へーそうなんだ‥」



(ありがとう鳴子くん!)

心の中でお礼を言っといた

北海道から来たということで私に興味を持ってくれたクラスメイト達が沢山話しかけてきた


「ねぇねぇ‥!」


私は沢山の人に囲まれて、恥ずかしくてこんなの初めてて‥


曖昧に答えちゃったりとか、答えになってないこと言っちゃったりとか‥



それでもーーー

「よろしくね如月さん」


自分でも表情が明るくなったのが分かる


「うん、よろしくね!」




(初めての学校生活、なんだかんだでやっていけそうです)



曇り掛けの心が晴れました

鳴子くんのおかげなんだけどね

ーーーーーーーーーーー
鳴子はナナの方を見て安心して微笑む


その様子を見て鳴子に話しかけるとあるクラスメイト

「おい、鳴子!」

「なんや」

「如月さん可愛いな
地味だけど」

「‥は?いきなりなんや」

「笑ったらめっちゃ可愛いやないか」


鳴子はその発言に驚く


「そう?‥ってか地味は失礼やで」

少し胸が騒ついた鳴子である


(なんや、ワイ‥嬉しいことやないの?ナナの事可愛いって思うひとがおるって‥良い事のはずやけど、、、胸が痛いねん)

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