弱虫ペダル 過去編

□acht
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中学校生活が始まって早1週間

私にはまだ友達と呼べる友達が出来ません

鳴子章吉以外は‥



学校に行く時は鳴子くんと一緒
もちろん帰りも一緒


「章ちゃん、今日席替えあるって知ってた?」


「なにぃ?!知らんかった」


「ふふっ やっぱりね
昨日の帰りのHRでさえ寝てたもんね」


「しゃーないやろ〜
ワイ毎朝5時に起きて学校行くまでロード乗ってん」


「すごいよね
私には無理!だって朝は眠いもん」


「そんなんだから
ココお肉つくんですよ〜」


ぷにっ


「きゃっ」

鳴子に両脇腹をぷにっとされる


「カッカッカ‥おっと」


むすっ

「しょーきちぃーー!!」

ナナは鳴子を追いかける


「ちょ、そんな怒らんくても‥」


「コラーー
待ちなさいっ‥はぁはぁ」


「ナナちゃん
ワイに追いつけへんのやからやめときぃ‥ってアレか、ダイエットか
それなら協力しまっせ」


「‥むぅぅ」


鳴子に走りで追いつけず、更に一言多い事を言われ機嫌が悪くなる


「ああ‥すまん、すまん、ワイが悪かった」


フン

ぷい

謝る鳴子を無視してソッポを向くナナ


「あーどないしたら機嫌直してくれるんや〜」


焦ってる鳴子の目の前に来たナナ


「お、ぅうん?!」

むに むに

「はにふんへん(なにすんねん)」



「っふふ‥変な顔
これで許してあげる
章ちゃんのほっぺプニプニだね はははっ」


(ワイのほっぺで機嫌が直るんやったら犠牲にしたろ)

密かにそう思う鳴子だった


ーーーーーーーーー


キーンコーンカーンコーン



学校に到着して朝のHRが終わり席替えの時間


ガヤガヤ ガヤガヤ


「はいはい!お前ら静かにな〜」


先生が生徒をなだめる


席替えのルールはくじ引き


自分の座ってる席の番号を配布された紙に書き、ボックスに入れる


みんな入れ終えたのを確認し、四角にいる生徒がじゃんけんをする

今回は私のいる右側の列の後ろからスタートだ


ドキドキ


ボックスが私の前に来た


(‥直感だよね!よし、これ)


番号は24

今とは逆の窓側の席


全員くじを引き終わった様で周りがガヤガヤする

黒板に記入されてる番号と自分たちの持ってる番号を照らし合わせて

愕然としているものもいれば嬉しそうにしているもの、興味無さそうにしてるものがいる



(とりあえず新しい席に移動しよ)


ナナは窓の外を眺めていた


(あ、猫)

一階なので見える景色はただの庭


猫を目で追いかけていたら聞き覚えのある声が間近から聞こえて来た


「おっ!ワイ25やで カッカッカ」


「ん‥鳴子くん
席、隣なの?!」


「ナナちゃん番号24やろ?
ならそーゆこっちゃ」

ニコッ


運が良いのか、2人は席も隣同士になりました



「あ、ありがとう‥神様‥」

ナナはボソッと呟いた


「ワイは強運の持ち主鳴子章吉様やで

カッカッカ」

ナナは顔を赤らめた

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