弱虫ペダル 過去編

□fünf
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2人は外に出て自転車に乗る



「鳴子くん、どこに連れて行ってくれるの?」


「道頓堀とかアメリカ村とか大阪城でどや」


「行きたい!道案内お願いしまーす」



「よっしゃ!美味しいモンとかナナの好きそうなモン紹介しまっせ」



「ありがとう!」
(あれ?私の好きなもの知ってるの‥?!)



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まず最初に着いたのは道頓堀



大きなグリコの看板や大きなカニが目印の場所



「わぁあ!大っきいねカニさん!北海道でも似たようなの見るけどやっぱ違うね」



「カッカッカ せやろ、せやろ
ここは美味いモン揃ってるで」



「美味しいもの‥食べる!」

ナナの瞳はキラキラしている


(お、ごっつキラキラしてますなナナさん)





お好み焼き


串揚げ


たこ焼き





「ナナちゃんよく食べてますな‥ワイその食いっぷりに驚いてます」



「ん〜おいひぃ(おいしい)」

もぐもぐもぐ‥


「よかったら、ワイのたこ焼きも食べる?」


「わーい ありがとう 章ちゃん」


ドキッ

(今ワイの名前呼んでくれた!幸せや〜)


鳴子とナナの周りにはそれぞれ違う意味の花が咲いていた



ーーーーーーーーーーー



次はアメリカ村



「どや、衣類から雑貨までオシャレなもん沢山ありまっせ」


「すっごい‥どこから行っていいのか迷っちゃう‥あ!」


「ん、どないした‥「鳴子くん!!」


ナナが指を指す


「ってまだ、ワイ喋り終えてへん!てか名前!!‥ん」


(あー確かにあーゆーのナナ好きそうやわ)

「扉可愛いね!」


指差して可愛いって言ってるところは童話をモチーフとした雑貨屋


「‥でも、鳴子くん入りづらいよね?」

ちょっと困った顔で問いかける


(ズギューン 困った顔もまた可愛ええなぁてかじゃなくて)


正気に戻る鳴子


「おん、ええで!一緒に入ろか」


ナナは嬉しそうに微笑んだ


「ありがと、章ちゃん!行こう、行こう」


ガシッ


「‥ちょ、」


鳴子の腕に自分の腕を絡ませて扉の中に入った


ドックン ドックン
(アカン!女子と密着すんの初めてや!ごっつ緊張すんねん‥‥ええ匂いや‥ってワイの変態)

鳴子の頭の中は忙しそうです

一方、ナナは


るんるんるーん♪

大変ご機嫌な様子


ーーーーーーーーーーー

お店の中に入るとおとぎ話に出てくるようなキュートで乙女チックなアクセサリーや雑貨が綺麗に陳列されていた

ナナは沢山の可愛いものに目を奪われていた


「可愛い‥あ、これも可愛いっ」


その横顔に鳴子は魅了されていた

(そういうナナが一番可愛ええで)


「あ、章ちゃん私これ試着してくるね」


「おう」

(章ちゃんって呼ばれた‥今章ちゃんって‥‥また章ちゃんって‥‥)

「あ、」


そんな中鳴子はとある物に目を惹かれ購入

ナナも沢山アクセサリーや雑貨など購入して、このお店を出た



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「沢山買い物したんやな‥」

「うん、満足!全部欲しいくらいだったよ」


「女の子って大変やな‥そや、このアメ村に日本一長いソフトクリーム屋があんねん」


「前テレビで見たことある!食べたい」


「よし!じゃ行こか」

ーーーーーーーーーーー


テレビで見るよりも大きく感じるソフトクリームに驚くナナ


「‥‥2人で1つ食べよう?」


「せやな、溶けたら大変やしな」


ソフトクリームを2人でスプーンですくって食べるのであった



食べてゆっくりしてると陽が大分傾いてきた


「んーー大阪楽しいね」


「あったり前やろ、天下の台所やからな!カッカッカ」


「あ、あの‥ね、章ちゃん」


「ん、なんや」


「今日は、いや‥‥私と、そのぉ‥」

少し切ない顔をしてもじもじするナナ


「どないしたんや?」

その様子に心配し、まじまじとナナを見つめる鳴子


「あのね、私と友達になってくれてありがとうね」

ニッコリ


「ふっ なんや、いきなり改めて照れ臭いやんけ」


「あ、ちょっと今笑ったでしょ‥もぅ」


「すまん、すまん‥ぷっ」


「ちょ、今も笑った」

「だから、すまんて‥真剣な面して何を言い出すかと思えば、そなことかいな」


「むぅ‥章ちゃんからしたらそんなことかもしれないけど、私からしたら大したことなの‥初めての友達と‥その、初めて遊ぶっていうか」


ポンポン


「ん」

ナナの頭を撫でた


「ワイもナナと出会えて良かったわ。こんな自然と沢山の事話せる女の友達ワイも初めてやし、どんな友達といるよりナナと一緒にいる方が楽しいし‥なんてか、こっちこそホンマおーきにな」

ニコッ


鳴子の言葉と鳴子の笑顔を見て幸せで泣きそうになったけど耐えるのであった

「章ちゃん‥‥今が一番幸せだよ。本当にありがとう」


「おっ!泣いとるんか、また」


「‥ちょっと、またってなに‥しかも泣いてないよ」



「泣いてもええんやで
さぁ、こい」

両腕を広げる鳴子


「もぅ‥っぷ、ははは」


「カッカッカ」

シリアスなムードをぶち壊したのは紛れもなく鳴子章吉であった

そしていつもの調子に戻る2人





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大阪城



「大阪城は毎年桜が綺麗なんや」


「‥‥素敵」


「昼に連れて来てあげたらよかったな すまん」


夕陽が沈みかけている

「ううん、そんなことないよ
十分綺麗‥わぁぁ」

ヒューーン

桜が宙に舞う

風が吹いたのだ

咄嗟にスカートを抑えるナナだったが


「お、ナナの今日のパンツはピンクか!桜色やな カッカッカ」


それを聞いて赤面

「もう、しょーちゃん‥っ」

名前を呼んで振り向いたら鳴子が目の前にいた


スッ

「えっ」


一瞬、髪を触られたのが分かった

そして、何かついているのも分かった


「さっきの雑貨屋でこーたんや
似合っとるで」


鞄から鏡を取り出し自分を見る


「か、可愛い‥ありがとう」


髪についていたのはアリスの鍵をモチーフにした水色の髪飾り


「えっと、ピンクと迷ったんやけどな今着てるその水色のワンピースに合わせよー思うてな、それにしたねん」

照れ臭そうに頬をかきながら言う


「ふふっ 合わせよー思うて って私のファッションコーディネートしてくれたんだ ふふふっ」

流石は鳴子くんと言って幸せそうに笑った


「‥‥もう、うっさいわ!」

完全に真っ赤になった鳴子章吉12歳
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