キリリク

□400Hit<トキ様>
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静かな夜には朝陽が………





どっかに行ったときに そこの住民に聞いた。でも、肝心なところが思い出せなく
て…

なんでだろう………

朝陽は眩し過ぎて 目を開けることが出来ないから 嫌いだ…だって 貴方の姿が
見えなくなってしまうから…

ただでさえ 側にいることの叶わない貴方だけに それを強く望んでしまう……
闇から 救い出してくれる光りは 俺を幸せからも 連れ出してしまう…

幸せを望んでは いけないのか?

弟をあんなにしてしまったのは俺だから?



望みは叶わない 亡くした物は戻らない
世界はその理の 中で生まれ…壊れていく…
壊れるのなら俺にくれよ……


叶わないなら 望ませないでくれ




お願いだ…………

安い希望だって いらない お願いだ……

期待させないで……



★☆★静かな夜には朝陽が…★☆★




いつものようにエドは 報告書を出すためにeastcityの東方司令部に来ていた。

「大佐〜報告書!!」
どさっと音を立てて書類が机に置かれる。
それを見て 大佐と呼ばれた人物は溜息をはいた。
「もう少し 静かに出来んのかね」

「出来ない」
即答で返した。
「………」





深夜1時をまわったころ……

大佐は溜めていた 仕事を全て終えた。

視線を上げると 資料を読んでいた エドはソフアで規則正しい寝息を立てていた


それは とても 静かな夜に 起こった出来事・・・
珍しく 新月で晴れていたため 空には七夕の名残で天の川が出ていた。

それを見て ふと呟く

「静かな夜には………朝陽が」

この次はなんだったかなと考えようとして顎を手に置いたら、

「”朱い”だろ?」



ビックリしてエドを見ると……



「すまない……起こしてしまったね。」

そう言って にこっと笑った。その笑みにいつもの偉そうな感じはなく とても優
しかった…そんな大佐に違和感を感じながらも 大佐の問い掛けに答える。

「いや……別にいいよ。大佐それ何処で聞いたの?」

まだ眠い目を擦りながら 体を起こした。

「それが…よく覚えてないのだよ」

そして…しばらく何かを考えていて ふとエドの方を見るとエドを手招きした。

「ちょっと…来てくれないか?」

「……?…何?」
そうきいてきたエドを見てなんか大佐の顔が一瞬悲しげに見えた……

しかたなく 近くまで行くと大佐の後にあった窓から 綺麗に輝く星が見えた。

「わああ!」
そういいながらエドは窓に張り付いた。そんなエドを可愛いな なんて想っていた
大佐は一瞬なにが起こったか判らなかった……
目の前が急に暗くなったのだ。

「……?」

「大佐……どこにもいかない?」
目の前が暗くなったのは、エドに抱き着かれたからだと気付いた…

「エド……どうした?」

「ここまで 完璧な夜だと少し不安になっちゃったんだ…だって……」
大佐にはエドが泣くのを我慢しているのに気が付いた。
しかし、エドに何かを言うまでもなく ただ……抱きしめ返した。




静かな静かな夜は 確かな愛まで 不安にさせ
た。

何故…そこまで 不安に な

るのかは 愛がとても大きく

て 掴み所のないものだか

ら……



でも……だから貴方を 愛せ

たのかもしれない…どうし

ても諦めなくないから。



静かな夜には朝陽が 朱い…… それは 太陽が 寂しく 恋しく想っている 恋人
の片割れを 慰めるために 自信を朱くして 希望を見せてるのかも……


でも……………


俺には 太陽はいらないよ?



だって…………大佐を恋しく想う俺の気持ち
だって とても 愛おしく感じるから……

貴方がいない夜が 寂しく感じるのは







俺が貴方を愛してる証拠だろ?






俺はそんなに 弱くないから…







大丈夫………









END
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