リレー

□アフタヌーン・スリープ
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天気の良い午後の事だった。

ロイは東方司令部の屋上に来ていた…来ている理由は簡単だった。
ロイの執務室の机には膨大な数の書類が積まれホークアイがその主なき机を見下
ろしながら佇んでいた。

「また…逃げられた」

そこへ、運悪く入って来た人物を見てホークアイはあることに閃いた。

(最近は疲れが溜まっていたみたいだから…栄養剤が必要ね)
瞬時に、結果を頭のなかで出すと笑顔で入って来た人物に振り返った。

「久しぶりね、エドワード君!!今回の旅はどうだった?」

入ってきた少年、エドワード.エルリックはそんな彼女の珍しい笑顔がちょっと
怖くなった。

「あっ…うん、久しぶり!!」

ただそこは持ち前の若さでカバーした。
エドが執務室に入ってきた理由を知っている中尉は『仕事のためだもの』と自分
に言い聞かせ、エドにこう言った。

「大佐は今…多分、屋上にいると思うんだけど今、私受付に呼ばれてるから…大
佐を連れ戻してくれない?エドワードくんも大佐に報告書を出しにきたんでしょ
?」

ホークアイは一通り言い終わると、自分の机に置いてあった書類を両手で抱える
と。

「よろしくね」
と、再び笑顔を向けられた。何故かその笑顔はその事を強制させられていないの
に命令を受けるような緊張感が走った…
エドは、大佐より絶対に司令官に向いていると強く心に思った。

「…わかった」
もう、YESしか選択肢がないような感覚の中でエドは了承の返答をした。

〜〜〜〜

「…っと…でも何で屋上なんかにいるんだ?あのサボ…り魔………!!!?」

屋上に向かう途中、エドは独り言を呟いていた。

その独り言のおかげで、ふとあることに気づく。

「まさか中尉のあの笑顔は……!!」

だが気づくのが遅すぎた。
エドはもう屋上に足を踏み入れていたのだ。

覚悟を決めたエド。そこで自分の末路を想像していた…。

「最悪だ……中尉に嵌められた!!!」
といいながらも…キョロキョロと周りを見渡し見慣れたあの姿を捜す……
しかし、簡単に見つかった。それもかなり早く…見付けた自分がとてもビックリ
していた!

「うわ……ホントにいたよ」

屋上のはじのベンチの上で靡いてる黒髪を見付けた。東方司令部でも黒髪は少な
いから間違える可能性は0に近く…エドとしても、間違えるなんて絶対にあっては
いけない…だから、わかっていながらも慎重に近づいて行った。

…………

え…!?
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