リレー
□君の為ならなんでもするさ
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君のためならなんでもするさ…↓
「あんたってさ」
「うん?」
「その…こういうの集めるのも大変なんだろ?」
そう言いエドは禁帯書物を掲げて見せた。
「いくら大佐の地位にいる国家錬金術師だからって限りがあるだろ。なのに毎回毎回オレが戻って来る度読んだことのない本ばかりある。…いくつか危ない橋も渡ってるんじゃないのか?」
「…お見事。大正解だよ。流石は私のフィアンセ」
「うるせー誰がフィアンセだ誰が。…なぁ、なんでオレのためにそんなことまでしてくれんだよ」
危ない橋を渡ってまで。禁帯書物を無断で持ち出したり手回ししているだなんてバレたら決して良いとは言えない。なのに何故。
「…君のためならなんでもするさ」
「…なんで?」
「…君が望んでいることだから」
可愛い恋人の望みなら叶えない訳にはいかないだろう?
ロイは肩を竦めて少しはぐらかして言った。
愛しの君が望むのなら。禁帯書物だって取り寄せるし、貴重な資料だって惜しみなく差し出そう。
旅の道中も兄弟と共に居て守ってやるし、必要とあらば大佐の地位を捨ててでも彼らを救い出してやる。
君のためなら。
なんでもするさ。
「……そりゃどうも」
ロイははぐらかして言ったがエドには全て伝わったらしく、軽い言葉を簡単に返された。
「じゃあ今後もよろしくな大佐殿?」
「…安心して任せたまえ少佐殿」
無言でも伝わり合う暖かい、目に見えないけれど確かにここに在る繋がりを感じ、二人はしばらく小さく笑いあっていた。
…………………
ありがとうございますたんぐ<(_ _)>