【GAMES&COMICS】Novel!

□傾奇者が通る【完結】
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「ぃよっ!慶ちゃん!今日も相変わらずだね〜」
「よう!へへ、まーな!あ、お勘定ー!」
「あいよ、いつも世話んなってるからね、慶ちゃんには団子1串おまけしとくよ!」
「お姉さん大好き!有り難な!」


知る人ぞ知る、「前田家の風来坊」こと前田慶次は、いつもの様に京の都で自由気ままな生活を過ごしていた。

相手を馬鹿にするではなく、かと言って堅苦しくもない。

前向きで明るいその人柄が、町民皆から好かれる所以だ。


「ん?あれは・・・?」
食後の散歩と言う名目で、慶次はいつもの様に町中を散策していた。
慶次の視線の先には、長い黒髪を一つに結い、身長はどちらかと言えば低い部類に入る、それでいて着物がよく似合う女性がいた。

女性の周りには、侍だろうか。
柄の悪い男が数人取り囲んでいた。


「なあ、兄ちゃん達。そんなか弱い娘を取り囲んで一体何してるんだい?」
「あぁん?誰に口を聞いてるんだ、あんちゃん?」
「・・・・・・助けて下さい!」


その声を聞いた瞬間、男の一人が大きく吹っ飛んだ。
慶次が顔面を思いっきり殴ったからだ。

「ち、畜生!」
そのまま気絶してしまったのか、吹っ飛んだ後動かなくなった男を見て、他の男達も逃げ出した。


「あの、有り難う御座いました」
「良いって良いって。困っている娘を助け守るのが男の役目ってもんさ」

あの一悶着から一刻。
二人は茶店で一息つく事にした。
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