【GAMES&COMICS】Novel!
□生マレ堕ツルソノ向コウニ【完結】
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物心つく前から聞かされていた。
俺に、双子の兄弟がいることを。
最初に聞いた時は何とも思わなかった。
新たな知識がまた一つ増えた、ぐらいにしか。
同じように、物心つく前から聞かされていた事がもう一つある。
その双子の兄弟を殺せば、大いなる力が手に入ること。
・・・ソイツサエコロセバ、オレハサラニツヨクナレルノカ・・・。
俺には、今よりも強くなる事が最優先の、「義務」に思えた。
*
今思えば、ずっと子供の頃から聞かされていた気がする。
僕には、日時を同じくして産まれた兄弟がいること。
初めて聞かされた時は、ちょっと興味があった。
魔術の資質を得る事に、ほんの少し躓いていたから、
気を紛らわせる事柄が欲しかっただけなのかも知れないけれど。
どんなひとなんだろう?
やっぱり僕と同じ銀髪なのかな?
男の子?それとも女の子?
このマジックキングダムにいるのだろうか?
疑問はとめどなく溢れてきて、僕は僕を探しに行った。
建物という建物を覗き、教室を片っ端から当たった。
でも、僕は僕を見つけられなかった。
そうこうしている内に資質の糸口を見つけて、また僕は魔術に没頭するようになった。