ジョジョの奇妙な冒険

□貴方は奪うだけだったね。
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痛い、と久々に感じた。痛覚が以来消えていたような気がして、吐き気すらこみあげてきて、ほんとうに気持ちが悪い。


事故に遭った人はこんな風に苦しむのか、初めて知ったな。

そう思う余裕があるうちは死なない。だから私もまだ大丈夫。



死ぬ時って言うのはさっさと死にたい。もし生きる道があるならさっさと救ってもらいたい。

そんなワガママは通用しなくて、現に長々と味わっている。



横になって倒れ、きっと制服はぐしゃぐしゃだし、汚れているし、人通りが無い分見られなくてマシだが、どっちもどっちなんだろう。


辺りはまさに血の海。私の中にはこんなに入っていたのか、他の人もそうなんだろうか?


「……お前には才能がなかったな」



才能なんて元々ない。こっちはあんたみたいにできた人間じゃないんだ。なにか勘違いをしちゃいないか? 案外バカだね。しっかりした人だと思ってたんだけど。



「まったく、残念だ」




本当に思ってるの? あんたはいつもそうだよ、私を嘲笑って絶対に認めてはくれないし、私の大切なぬいぐるみを穴だらけにしたり、ノートをボロボロにしたり。いつも私が何を思っていたかなんて、あんたに分かりはしないでしょう?



「もしかしたら、と考えたんだがな」


あぁ、もう何も聞こえないよ。
余裕があっても意味ないじゃん。

私達って何だったの? あんたにとって私は、やっぱり都合がいいだけの知り合いだったのかな。


そしたら、すごく、かなしいな。


私にとっての貴方は、
大切な存在だった、
はずなんだけどな。


分かってたつもりなんだけどなぁ。



「柄にもないが、てめーは天国にいけると思うぜ」





──貴方は奪うだけだったね。

(川の向こうで待ってるわ。)





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