7番目の幻想

□華やかで暗い場所
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「うわ…」
「すご…!」

ルタリスとクラウンは窓の外を見て、思わず感嘆の声を挙げた。

「なになに? えーゆーさんもココは初めてな感じ?」
「そうだな。噂には聞いていたけど…こんなに賑やかとは思ってなかった」
「ボクも初めてです!」
「アンタには聞いてない〜!」
「わ、ユフィひどい!」

クラウンはぴょんとユフィに飛び移り、じゃれあう。何だかんだで仲の良い2人だ。
ルタリスはもう一度窓の外を見た。
金色の巨大な木のような外見。“ゴールド”の名に相応しい、明るく楽しげな人々の声が響く華やかな場所ゴールドソーサー。
正直、戦いに身を置いている自分には不釣り合いな場所だ、と思った。




「うわ〜! 楽しまなくっちゃ!」

エアリスがインフォメーションボードを見てはしゃぐ。しかしすぐに小さく苦笑いをした。

「そんな場合じゃないのはわかってるけど、ね」

ルタリスはバレットに近寄っていくエアリスと入れ替わるようにしてインフォメーションボードの前に立った。

「興味があるのか?」

ボードをじっと見るルタリスに声をかけてきたのはレッド]V。ちょこんと横に座る彼が、何だか可愛らしい気がするのは自分だけだろうか。

「いや。意外と広いな、って」
「そうだろうな。さすが世界最大の娯楽施設だ」

レッド]Vがふっ、と笑った、その時。

「勝手にしろ! チャラチャラしやがってよ! 俺達はセフィロスを追ってるんだぞ! それを忘れるんじゃねぇ!」

突然バレットが怒鳴り、どこかへ続くゲートへ飛び込んでしまった。

「…怒っちゃった」

どうやら原因はエアリスらしい。何だろうか。少し気でも使いすぎたのか。

「あ、でも大丈夫みたい。何だかいつものバレット。少し元気出たみたい」
「そう? なら、よかった」

エアリスはティファの一言に安心したように頷くと、ルタリスに駆け寄ってきた。

「お姉ちゃん! 一緒に回ろ?」
「私と?」
「うん! ほら、早く!」

エアリスはルタリスを引っ張り、楽しんでね! と他の仲間達に手を振った。ルタリスは苦笑するしかなかった。

**

ルタリスはエアリスに、まずはラウンドスクェアに連れていかれ、気になっていたというゴンドラに乗った。次はそこから見えたシューティングコースターとやらに乗るためにスピードスクェアへ。
エアリスは始終きれいとすごいを連発していた。



「速かったね〜!」
「ああ、意外とな。
でも、こんなに振り回されるのは久しぶりかな」
「それは乗り物? 私?」
「どっちもだ」

ルタリスとエアリスはくすくすと笑い合った。

その時だった。
ルタリスはふと違和感を感じ、立ち止まった。

「お姉ちゃん?」
「……銃?」

そう呟いた瞬間、全身を寒気が襲った。思わず腕を押さえる。
この何度か感じたことのある悪寒の正体。ルタリスは気づいていた。

「…不穏だな。事故じゃない」
「何か、あったの…?」
「人が死んだ。1人や2人じゃない」

エアリスは驚いたようにルタリスを見た。

「お姉ちゃん…そこ、行こ!」
「……仕方ない、か」

でも嫌な予感がする、とルタリスは呟いた。エアリスもルタリスの勘がよく当たることは知っている。
エアリスは少し不安そうな表情を浮かべたものの、頷いた。

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