15番目の幻想

□4:1は地雷だらけ!? ※
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「みんなっ、気をつけてっ!!」
ステラの緊迫した声が響く。
4人はとっさに多数の魔導兵から離れた。
と、同時にステラが放ったファイアが爆発する。
その爆発は新たな爆発を呼び、さらには地面の草にも燃え移ってあっという間に全ての魔導兵を倒した。
「ステラっ!」
真っ先にステラに駆け寄ったのは、危うく被弾しかけて煤で顔を黒くしたプロンプト。
ただし、クリスタルのペンダントに守られたおかげでダメージはほぼない。
他の3人も彼のすぐ後に続く。
戦いの最中、プロンプトはステラが何体かの魔導兵に囲まれていたのをちらりと見ていた。
ずっと怪我でもしていないかと心配だったのだ。
当のステラは胸を押さえ、しゃがみこんでいる。
「大丈夫!?」
「ぷ、プロンプト…!」
ステラはプロンプトを見上げると、胸を押さえる手の力を強くした。
「怪我は!?」
「あ…け、怪我はどうにでもなるけど…」
「ステラ、まさか…」
「あーそういうことねぇ…」
何か感づいたノクトとグラディオが気まずそうにさっとステラから視線を外す。
イグニスに至っては手を顔に当ててため息をついている。
ここでようやく、プロンプトはステラがどういう状況なのかに気づいた。
「あー!服破れたってこと!?」
ステラは表情を変えてぱっと立ち上がる。
「バカっ!口に出すなっ!!」
プロンプトは自分の失言に気づく。
「あ、ごめん!ほんっとごめん!!」
「もーやだプロンプト最低っ!!」
「だからごめんってばー!」
半狂乱状態になったステラとそんな彼女に頭を下げ続けるプロンプト。
2人の顔はすでに真っ赤だ。
そしてステラのある状況に、ノクトは完全に挙動不審になり、グラディオはそれを伝えるべきかどうかと悩んでいるようである。
「おまえ達、いい加減にしろ…」
そう何度目かのため息と共に呟いたのはイグニス。
彼の声はしっかりとみんなに届いたようで、ステラとプロンプトはすぐにしゅんとなった。
イグニスはステラに近づくと、上着を脱いで彼女の肩に掛けた。
「…もう少し気をつけろ」
苦い顔で上着の前を閉めるイグニスを見て、ようやくステラとプロンプトは、ステラがどんな状況になっていたのかを理解した。
「「…うそっ!?」」
2人は一瞬顔を見合わせると、プロンプトは慌ててステラから視線を外し、ステラは顔と胸を押さえてその場にへたりこんだ。
「恥ずかしいもう消えたい…」
「…そう重く受け止めるな」
イグニスはステラの背中をさする。
プロンプトはふらふらとステラから離れ、ノクトとグラディオのもとへ歩いて行った。
「どうしよう…オレ、これからステラと普通に接せられる自信ないよ…」
「気にすんなプロンプト。オレもこういうことでステラと気まずくなったことあるけど、次の日にはもう普通に話してたぞ」
ノクトは励ますようにプロンプトの肩を叩く。
「おまえもステラとは胸どころの関係じゃねぇだろ?だから大丈夫だ」
「ちょっとグラディオ…それ、普通言わないでしょ」
プロンプトはグラディオの言葉にさらに赤くなった。

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