15番目の幻想

□notes
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《ちょっとした秘密》


ある日の夕方の王都城一室。
グラディオは一人稽古を終えて帰路に着こうとした。しかし、彼は扉の前で足を止めると、一度大きく深呼吸をする。
もうこれは毎年恒例のことだが、なぜかいつも緊張してしまう。今年もいるだろうかという期待と、もしいなかったらという少しの不安。幼い頃に約束したから、いるに決まっているのだけれども。
グラディオはそっと扉を開けた。
案の定、ステラが扉脇の壁に寄りかかっていた。

「お疲れ、グラディオ」
「おう」

グラディオはステラが差し出すスポーツドリンクを受け取った。少しだけ中身が減っているそれを見て、内心ほくそ笑む。
緩くなったキャップを開けると、ステラが見ている前でドリンクを飲んだ。

「やっぱ甘いな」
「そう?」

ステラはいたずらっぽく笑うと、グラディオを見つめた。

「誕生日おめでとう」
「ああ。いつもありがとな」

グラディオは嬉しそうに微笑むと、ステラの頭をくしゃっと撫でる。
そうすると、決まってステラも嬉しそうに笑ってグラディオを見上げる。
これは、2人だけの秘密の行事。



(あとで家におじゃまするね! イリスに誘われたから)
(ああ、待ってる)




Happy Birthday Gladiolus !! 2017,4,2

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