レイチェン

□雨
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「ん…。」

心地良い休日の朝、貴方の腕の中で目覚める。

貴方はすやすやと無防備な寝顔を晒していた。

あまりにもその顔が安心しきっていて、そんな顔を見せるのは僕にだけだなんて思うと愛おしくて、おでこにキスを落とす。

ふと顔を上げると、閉まりきっていなかったカーテンの隙間から見える窓ガラスには、点々と雨が叩きつけられては伝い落ちているのが見えた。

今日はヒョンも僕も珍しくオフで、今日は2人で出かける予定だったのになぁ…。

窓際に立ってぼんやりと昼からどうしようか考えていると、フワリと温かい腕が僕を包む。

「なーにしてるの、ジョンデ。」

ヒョンは僕の頭にキスを落とすと、キュッと僕を抱き締めた。

「折角ヒョンと出掛けられると思ったのに、雨が降っちゃって残念だなぁって思ってたんです。」

「そうだね。…でも、僕はジョンデを誰にも邪魔されずに独り占めできるから嬉しいよ?」

そう妖艶に微笑むと、ヒョンは僕を窓際に座らせて、少し屈んで口付けた。

穏やかに落とされたキスは、次第に熱を持った熱いものに変わっていく。

「んっ…、あっ。」

思わず、屈むヒョンの腰に足を絡ませる。

「ジョンデ可愛過ぎ…。やっぱり予定変更。」

ヒョンはそう言うと、僕をひょいと持ち上げてベッドに降ろした。

「予定変更するなら、もっとその気にさせて。」

「もちろん。」

雨音に溶けていく僕の声とヒョンの息遣い。

雨の休日もきっと悪くない。


end.

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