白西 短編小説


□二度目の想い
1ページ/2ページ


最近のまいやんは、ななに冷たい。


それもそのはず、ななはまいやんに酷いことを言うた。

そして今のまいやんはもう、ななも、乃木坂のことも、忘れとる………




思い出すこと二日前………

「七瀬なんか知らない!!」

「ななだって知らん!!」


ななはまいやんと些細なことで、大喧嘩しとった。

「普段はこんな怒らんのに…………」


その日はプリンシパルのイライラが互いに爆発し、まいやんは怒って家を飛び出した。


少ししてからやった、ななの心に異様なザワザワを感じた。

後悔と不安を覚え、街を駆け出したなな、待ち受けていたのは…………

真っ赤に染まったまいやんの事故現場やった…………



「患者は無事です。でも、一部記憶障害を起こしている可能性があります」

白衣の先生に淡々と宣告された手術室外の廊下。



「もうまいやんは、ななのこと覚えとらんや…………」


そのショックは思いのほか、ななにとって大きかった。


「大丈夫だよ、なぁーちゃん!まいやんのことだから、すぐ七瀬のことを覚え出すよ!」


無言でななの頭をポンポンと撫でる若月と励ますかずみん。


少なからず、ななの支えとなった。




二週間後…………

かずみんの言うとおり!
にはなれず、記憶のないまいやん。


今日のリハーサルの後、ななみんと一緒にまいやんの看病しにいった。



「ななせ!ななみん!来たんだ!!」


最近、まいやんがななみんを見る目が前と少し違う。

「ななみん、ポットの水入れかえてきてくれない?バンドは引き出し」

「うん、わかった」


ポットの中の水は見るからにいっぱい。わざと、退室させられたななみん。急に静かになる二人きりの病室、なんだが緊張する。


「七瀬。私、誰か大切な人を忘れた気がする!!」

緊張するななをさておき。
急に、真顔でいい出すまいやん。


「七瀬にはわかって貰える気がするの!心がこうザワザワして、落ち着かないの!」


どうにかななに理解してもらおうと一生懸命に説明するまいやん。


そんなんわかっとるよ………「ななみんやろ?」


驚愕の二文字を顔にかくまいやん。

そりゃわかるよ、今までその目で見られてきたんやから………



「わからないけど………
明日告ったらわかるかもしれない!
七瀬、手伝ってくれない?」

「ええよ……」
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ