白西 短編小説
□二度目の想い
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最近のまいやんは、ななに冷たい。
それもそのはず、ななはまいやんに酷いことを言うた。
そして今のまいやんはもう、ななも、乃木坂のことも、忘れとる………
思い出すこと二日前………
「七瀬なんか知らない!!」
「ななだって知らん!!」
ななはまいやんと些細なことで、大喧嘩しとった。
「普段はこんな怒らんのに…………」
その日はプリンシパルのイライラが互いに爆発し、まいやんは怒って家を飛び出した。
少ししてからやった、ななの心に異様なザワザワを感じた。
後悔と不安を覚え、街を駆け出したなな、待ち受けていたのは…………
真っ赤に染まったまいやんの事故現場やった…………
「患者は無事です。でも、一部記憶障害を起こしている可能性があります」
白衣の先生に淡々と宣告された手術室外の廊下。
「もうまいやんは、ななのこと覚えとらんや…………」
そのショックは思いのほか、ななにとって大きかった。
「大丈夫だよ、なぁーちゃん!まいやんのことだから、すぐ七瀬のことを覚え出すよ!」
無言でななの頭をポンポンと撫でる若月と励ますかずみん。
少なからず、ななの支えとなった。
二週間後…………
かずみんの言うとおり!
にはなれず、記憶のないまいやん。
今日のリハーサルの後、ななみんと一緒にまいやんの看病しにいった。
「ななせ!ななみん!来たんだ!!」
最近、まいやんがななみんを見る目が前と少し違う。
「ななみん、ポットの水入れかえてきてくれない?バンドは引き出し」
「うん、わかった」
ポットの中の水は見るからにいっぱい。わざと、退室させられたななみん。急に静かになる二人きりの病室、なんだが緊張する。
「七瀬。私、誰か大切な人を忘れた気がする!!」
緊張するななをさておき。
急に、真顔でいい出すまいやん。
「七瀬にはわかって貰える気がするの!心がこうザワザワして、落ち着かないの!」
どうにかななに理解してもらおうと一生懸命に説明するまいやん。
そんなんわかっとるよ………「ななみんやろ?」
驚愕の二文字を顔にかくまいやん。
そりゃわかるよ、今までその目で見られてきたんやから………
「わからないけど………
明日告ったらわかるかもしれない!
七瀬、手伝ってくれない?」
「ええよ……」