白西 短編小説
□夏祭り
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今日は〜、今日は〜、夏祭り〜!!
るんるんになって、いま自分の部屋で浴衣を選んでいる私。
だいぶ前に七瀬と行こーねって約束をしてあって、いよいよ待ちに待った今晩!!
あ〜、なぁーちゃんの浴衣姿…………さぞかしかわいんだろうな〜
鏡の前で、ニヤつく私。
「やっぱ、これにしよ!」
選んだのは白色に水色の牡丹が付いてる、全体的に藤色の浴衣。
下駄を履いて、待ち合わせ場所に向かう。
(七瀬、まだかな?)
興奮しすぎて、早く来すぎた私。
待ち合わせ場所の銅像の下でソワソワと落ちつかない気分。
「わっ!!」
「わっ!!!?」
「えへへ、まいやんお待たせ〜」
ソワソワとしていた私に、突然背後から衝突してきた不明生物(西野七瀬と判明)
後ろを振り向けば、黒にピンクと白の撫子柄に包まれた七瀬が立っていた。
ヒソヒソ「おい、見ろよ!あの子可愛くない?」
ヒソヒソ「私は白の子のほうが好みだな…」
ずーっと楽しみにしていたはずの七瀬の浴衣姿。いざ本当に目の前にしてみると、頭が真っ白になって。
何故かなぁーちゃんを他の誰にも見せたくないという、強い独占欲が出てきた。
「まいやん?どーかな、、似合っとるかな?」
「ぅ、うん/////よく似合ってるよ」
「ほんま?うれしい!!まいやんもよく似合っとる。はよ祭りいこー?」
七瀬に腕組まれ、銅像の前から離れる私たち。
「わー!めっちゃ屋台あるなぁー!」
夜でもあって、あっちこっちに吊るされてるランタンと照明でオレンジに染まる私の視界。ただ七瀬に連れさられ、祭りを歩き回る。
「お嬢さん、やっていかないか?」
まず足を止めたのは金魚すくい、七瀬らしいっちゃ、じつに七瀬らしい。私が店主に二百円払って、ポイを握りしめ真剣に魚たちと向き合う七瀬。
なんかかわいい/////
五、六分後………
「まいやん!見てみて!デメキンとった!!」
自慢そうに見せつける七瀬!どーやらデメキンが欲しかったみたい(笑)
さっきまで、ひたすら魚とにらめっこをする七瀬を思い出してニヤつく私。
「まいやん、その足元にあるのはなに?」
私の足元に溜まってるジャイアントな袋たち。
「あー、七瀬が金魚すくいしてた間に隣の射的でとった。七瀬好きでしょ?動物のぬいぐるみ?」