気まぐれ小説

□気持ちより居心地
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私はいくちゃんがすきだ。


それは恋かどうかと聞かれると、正直自分もよくわからない。

私はただ、いくちゃんが可愛くて、愛おしくて、そんないくちゃんのいろんな顔がみてみたい、とそう思うだけだ。


例えば急にドヤ顔で歌いだしたり、泣きそうな顔で上目遣いしてきたり、まいや〜んなんて甘えた声で駆け寄ってきたり、ときどきクズな男装なんかもしたり。

そんな、いろんな顔のいくちゃんを、私はすきで、いとおしく思う。

まぁ何せ、一番の原因はそばに居ると落ち着くからだけどねぁ……



ほら、いまだって

僕の膝の上に座って、ドヤ顔でフィンランド民謡なんかを歌っている。



「まいやんといくっちゃん、ほんと仲いいよなぁ」

不意に前から、メイクを終えて、暇になったみさみさが話しかけてきた。


「うん!仲良しさん!!」

それに言葉に対して、いかにも自慢げにあごをあげながらそういういくちゃん。


もう………可愛すぎて、危うく私は悶絶するところだった…



それを頑張って気づかれぬように必死に顔面を強ばらせたのに、


「なんなんお前ら、付き合ってんの?」

「ぶふぉ………」


あー、吹き出してしまった……



「な、ゴホゴホ………なにいってんの?みさ、そんなわけないじゃん、なにバカなこといってんの?」


咳き込みながらも、ここは怯まず、にこにこと笑いながらその質問を問いかけてきたみさみさに、言い返してやった。

みさの笑顔から、この質問はおそらく意図的でしょ。


ここでひけてはダメだと、動物のしての本能がさわぐ。
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