白西 短編小説
□彼女はマドンナ
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肩組んできた男がそう口説きながら、ななの肩を歩かせるように押す。
いやだ!行きたくない!怖くて体が動けへん…………助けて!……………まいやん!!!
「おいっ!!七瀬になにしてんの!」
いつもよりも低いまいやんの声。男どもが後ろを振り向くと、背後から怖い顔をしたまいやんが、肩組んだ男の手を振り払い、ななを背後に隠した。
「お前ら、七瀬になにした?」
「べ、別になんもしてないよ、いこー!」
男たちはすぐさまどっかに走って散ってしまった。
「七瀬………」
「あっ、まぃやん、ありがっ……」
包むようにまいやんが抱きしめてくれた。あやすように右手でななの頭をポンポンと撫でながら、不安そうにななの肩に頭を埋める。
「七瀬……あんなのよくあるの?」
「あんなの?………あー、たまたまや、ななにそんな魅力あらへんよ(笑)」
「ふぅん、そう………」
ななの頭をポンポンしていた腕が下ろされ、ななの左手をぎゅーって握りしめるまいやん。まいやんが離れてくれたおかげで、視界が一気に朗らかになった、あたりを見れば完璧に注目の的となっていたななたち。
(はぁ、、そりゃーそうやもんな、マドンナがビーチで女の子に抱きついてるもんな、あー、見られて恥ずかしい…………)
「七瀬、いこー?」
いつもと変わらない優しい声でななを呼ぶまいやん。その繋いだ手を握り返し、ななはまいやんについていった。
ななの彼女は夏のマドンナ。でも、そのマドンナはななのものでしかない。
あとがき
抱きついてるまいやんと七瀬を見た民衆たち………
「おいみろ!あれマドンナじゃない!」
「あれ?女の子に抱きついてる!彼女!?」
「まさか!妹でしょ!」
「マドンナに妹いたんだ!見ればまぁまぁかわいいな」
(((((口説けば堕ちてくれるかな)))))
(ザワザワ、、ザワザワ、、)
危険な妄想を繰り広げる民衆たちであった。一方ワゴン車内、危機性を持ち始めたまいやんは
「七瀬、これからは出かけるとき、私のそばから離れちゃだめだよ」
「ぅ、うん!」
※どうでしたでしようか!モテモテなまいやんに不安を覚える七瀬。だが、自分自身の魅力に気づいてない七瀬に、逆にまいやんがヤキモチを妬いちゃう話でした。
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