Dream
□彼女の事
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俺の彼女は、7歳も年上だ。
初めて会った時、俺の事なんか知らなくてスケート存在しか知らなかった。
出逢いは、たまたま彼女が友達に誘われて来ていたアイスショーで俺が一目惚れをした。
あの日、観客席にいた彼女以外見えなかった。まあ、わかりやすい明るい色の服を着てたせいもあるんだけど。
ショーが終わって、彼女がいた誰もいなくなった観客席に近づき、座ってみる。
『こんなふうに見えてたのか。』
もう一度立ち上がり、背もたれに軽くキスをした。
カシャン
足元に、イニシャルのチャームがついたネコのマスコットが付いたキーケースが落ちているのを見つけた。中を見ると車の鍵と家の鍵とだろう。
この席に座っていたあの子のもの?
そんな運命なんてないよな。
キーケースを拾い、警備員に届けるまでポケットに入れる。
「ゆづーもう帰るよー」
「一緒に写真撮ろー」
一緒に出演していた、スケーター達に大声で呼ばれ、バックに帰ろうとすると
「あ、すいません。」
物腰がやわらかそうな、女性の声が背中にした。警備員ではなさそうだ。
『あ、もうショー終わってて、立入禁止のハズ………』
振り返ると、彼女がいた。