Dream

□彼と彼女の事
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もう、キーケースはなくなるし、駅までのタクシーは、なかなか捕まらないし、一緒にいた友人は、すぐに用事があるとかで先に帰ってしまい最悪だった。
いくら地元とはいえ、駅まで歩いたら時間はかかるし、電車も都心に比べたら本数も少ない。


「素敵なショーだったのになー。」

まだ頭の中がぼーーーっと麻痺したように痺れていた。
「スケートってすごいな。勉強しよ。」
なんて考えているうちに、家の前まで着いた。
だけど、鍵がないので入れず大家さんに事情を説明して入れてもらった。


お風呂に入って、化粧を落とし、湯船に浸かって目を瞑る。


耳に残る、氷とブレードの削れる音。スピンの美しさ。全てにおいて夢のような心地だった。
私はそのまま、お風呂場で寝てしまった。
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