Dream
□一年後の織姫と彦星
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〜♪
珍しく、着信音がなる。
「あ、結弦だ。」
メッセージを送ってから、一週間も放置されたので無視してやろうとも、思ったが、久しぶりの着信に胸が高鳴った。
『あ、ちあきさん?今大丈夫?あのさ……』
「大丈夫。そっちは練習??」
少し、低く拗ねたような口調になる。
『あー……うん。怒ってる?』
「別に。会えないから拗ねてる。」
『ブハッ……ちあきさん可愛い。』
「もー。うるさいなーなんの用事ですかー」
『特に用事とかじゃないんだけどさ……』
ピンポーン
玄関のチャイムが鳴る。
そういえば、時間指定の荷物が届く頃だ。
「あ、ごめんね、宅配便届いたみたいちょっと待ってて。」
私は、スマホを置いて玄関のドアを開ける。
『お届け物でーす』
「はーい」
荷物を持っている人が見えないくらいの大きなひまわりの花束が目の前にあった。
『あ、ここにサインにお願いします』
伝票にサインをして、花束を受け取る。
伝票には、"羽生結弦より"
『もしもしー届いたーーーー?』
「届いたよ、ありがとう。会えなかったけど、すごい嬉しい。」
『ひまわりの花言葉は"あなただけみつめてる"どんなに、遠くにいても俺はちあきさんだけを見つめてるよ。』
花を見ながら、不思議と涙がこぼれた。
そんなに思ってくれてたの。
忙しくて、二の次だとおもってた。
複雑な思いをで、ひまわりの花束を抱きしめた。