倉庫

□Fe=x,大人<x<子供
1ページ/6ページ



 十年前。

 東京都新宿区の地下鉄の駅構内、天井の柱付近で多数の小規模爆発、次いで大規模な天井の崩落が起こった。

 同日、警察庁が不審な動きを見せた駅員三名を確保、歴史修正主義者と判明。

 地下鉄の天井崩落事件の容疑者とする。

 次いで首謀したと思われる歴史修正主義者を相次いで確保、逮捕に至った。

 死者、行方不明者多数。

 重傷者が大半を占め、日本政府は甚大な被害を被った。

 このテロ事件は、後に「新宿駅地下鉄爆破事件」、通称「新宿駅爆破事件」として歴史の教科書にも乗るほどの大きな事件となった。

 死者、行方不名者多数。重傷者も二百人強の、日本において過去トップクラスのテロ事件となった。

 だが、この事件には事件後から約五年間、公にされていなかった事実がある。

 被害者の半数以上が、審神者資格保持者だったということだ。

 その事実にいち早く気付いた日本政府は、重傷者を含む存命の被害者に、事件後の心的障害の検査という名目で一斉に審神者資格試験を秘密利に行った。

 公開しなかった理由としては、歴史修正主義者たちがどの様に審神者資格保持者を判断したのか、当時不明だったため、一刻も早く審神者資格保持者を政府の保護下に置くためであった。

 結果、軽傷者の資格保持者は零名、重傷者の内百名強……実に重傷者の半数以上が審神者資格保持者だと判明した。

 その中でも通常の通りに本丸を経営していける、一定以上の霊力保持者、三重名弱を重心的にカウンセリング及び治療を施した。

 事件後三年間で審神者に成れるほどまでに回復したのは、その内十五名以上。

 引き続き、残り半数の未回復者には治療が行われている。

 そして私、…被害者番号二十三番は、今日で十五歳。

 政府が認可している審神者最低年齢基準に達した。

次へ
前の章へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ