他メンバー

□夏の秘密
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夏休みもあと10日程で終わるという頃。今日も朝から蝉の鳴き声に負けないくらい元気な運動部の掛け声がグランドに響いていた。
運動部に入部している者には練習があるから夏休みなんてものはほぼない。そして、バレー部員である俺ビョン・ベッキョンももちろんその中の一人で、夏休みの間中ほぼ毎日登校していた。しかも、俺は高校1年生なので先輩よりも早くに登校してネットを張ったり、ボールを準備したりという仕事付き。その準備というのは当番制で、1年生同士の2人1組が1週間ごとに交代で担当することになっている。俺は今週その当番やから夏休み中の朝練の場合やと、いつもやったら8時過ぎに行けば十分間に合うんやけど、ここ3日間はそれよりも更に1時間程早く登校する羽目になってる。別に部活のために早く来てるわけやない。それもこれも全ては同じく1年のバレー部員で俺と準備担当のペアを組んでるパク・チャニョルという男に原因がある……
こんな高窓がひとつあるだけの薄暗くて、カビ臭い、埃まみれの蒸し暑い体育倉庫のマットの上で、俺とチャニョルが貪るようにキスしてるのも全部全部コイツに原因がある……話は3日程前に遡る―――
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