KING RUMOR

□4 the scandal
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氷帝学園中等部の校門前に停まったリムジンから降りてきたのは、
ラベンダー色で袖がシフォンになったAラインのワンピースを身にまとった聖梨奈。
ピンクゴールドのネックレスとセットのイヤリングは、ティファニーの新作。




「景吾!」


「・・・・・」

跡部はさすがに驚いているようだ。


「驚いたな。こんなに目立つように堂々攻めてくるなんてな」

「あら、目立つの好きでしょ?さ、乗って。それとももう少しここで話して注目を浴びる?」

「勘弁してくれ。いくぞ」


聖梨奈は終始ニコニコしている。

「シャンパン飲む?」

「結構だ。そんな笑顔で、ご満悦のようだな?お嬢様」

「ええ。あなたに会いたかったから」


「フッ、そうか」


「不意打ちじゃないとポーカーフェイスは崩せないみたいね。
今日はこれからバレエを見に行くわよ」


「バレエか・・・日本のは見慣れないな。」

「日本じゃないわよ。ソウルにウィーンのバレエ団が来てるから」

「・・・・参った。日帰りで韓国デートか。さすがに驚いたが悪くない」

「やった、今日2回目の驚いた顔が見れたわ」


「シャンパンをいただこう」

「そうこなくっちゃ。」



二人を乗せたリムジンは空港へ向かう。



「昨日は鳳とお楽しみだったそうだな」

「やめてよそんな言い方。彼のバイオリンが聴きたかっただけ。
ご馳走してくれた和食もとっても美味しかった」

「それなら今日は韓国料理でも食べるか?」

「ああ、韓国料理はしばらく勘弁。昨日の夜ホテルのプールでパーティをするって言ってたでしょう?
そこで知り合った韓国人がおすすめするスープを飲んだんだけど辛すぎて。私には無理そう」

「フッ、まだまだお子様だな」

「違うわ、本当に辛かったの」

「・・・真夜中のナイトプールパーティは楽しかったか」

「ううん。つまらなかった。景吾がいなかったから」



「ずいぶん言うようになったな」

「また逃げられたら困るもの。
飲んだら暑くなってきちゃった。窓開けるわね」

「だめだ、こっちに来い」


ちょうど車が信号で止まった時。

跡部と聖梨奈の唇が重なった時。






カシャ、カシャ







キングとクイーンだもの、こんなこと慣れっこなはずよね。
自分が育てた子猫が化け猫になることを
予想できなかったわけじゃないでしょう?
スキャンダルには気をつけなくちゃ。
 
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