KING RUMOR
□2 another face
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芥川「見て見て宍戸!!ジョコビッチとフェデラーのサイン!!!」
宍戸「それはよかったけどよお、よくあんなに待ったよな」
芥川「だってあんな有名な選手に会えることなんてもうないかもしれないでしょー!これは宝物だよ〜」
忍足「ジローがおとなしく2時間も出待ちするとはびっくりや」
鳳「よかったですね、芥川先輩」
彼らを乗せたリムジンがビルの中を走っていく。
跡部のおかげでテニス部レギュラー陣はリムジンに慣れているようだ。
向日「それにしても聖梨奈ちゃん可愛かったなー」
宍戸「確かにあの可愛さは異常だな」
鳳「彼女のお母様のブランドのモデルを小さい頃からやってますよ」
忍足「ああ、納得の可愛さとスタイルや」
宍戸「なあ、跡部とどういう関係なんだ?幼馴染ってだけには見えなかったぞ」
鳳「俺も詳しいことはわかりませんよ」
芥川「zzz」
ドアのそばに座っている宍戸だけは、話しながらもずっと外を眺めている。
彼だけは未だにリムジンに乗ると興奮してしまうらしい。走っているのは東京のど真ん中ビル街なんだから、中学生男子ならそれが普通だろう。
宍戸「・・・・・・・・!」
日吉「・・・でも、俺らなんかには手の届かない人ですよね」
忍足「俺らて、一緒にすんなや。日吉がそんな弱々しい発言するなんて珍しいなあ」
宍戸「おい日吉、お前まじかよ」
忍足「抜け駆けはあかんで」
向日「侑士まで・・」
日吉「一目惚れしました。悪いですか?」
鳳「聖梨奈さんを追いかけるのは想像以上に大変ですよ」
宍戸「・・・・長太郎、家に着いたぞ。俺はここから歩いて帰る」
宍戸は、車が止まった瞬間に出て行ってしまった。
鳳「待ってください宍戸さん!・・・何か急いでるんですか?」
宍戸「別に。ったく・・・秋には日本代表合宿が始まるんだ、気が抜けねえのに、なんなんだあいつらの浮かれようは。激ダサだぜ」
鳳「どうかしたんですか?急に様子が変になりましたよ、宍戸さん」
宍戸「なんでもねえよ」
終わりかけた夏を惜しむかのように現れたプリンセス。
この陽炎を追いかけて冒険してみる?
もう逃げられないよ、見てしまったのだから
彼女の、もうひとつの顔を。