KING RUMOR

□3 he is a knight
1ページ/4ページ





跡部邸の前にリムジンが停まる。

聖梨奈の長い巻き髪とフレアスカートが残すのは、サンローランの香水の香り。



「おはようございます。ミカエルさん!お久しぶりです。
あなたにもプレゼントがあるわ。気にいるといいんだけど」


「・・・あの方が景吾様の」
「いいえ、それが・・・」
「景吾様にお似合いのお嬢様ですね」


使用人達は聖梨奈の登場にざわついている。


「おはようございます。おはよう景吾。お招きいただいてとっても嬉しいです。跡部ご夫妻にこれを。父と母からです。」


渡したのは、ワインと、ダイヤのついたタイピン、パーティ用のドレス。

「ワインは父のお気にいりで、すぐに飲んで欲しいって言ってました。でもこんなに天気のいい朝に渡すべきじゃなかったですね。ふふ」

跡部の両親は喜んでいるようだが、跡部本人はいつもと変わらないクールな表情。

「ドレスとタイピンは母のデザインで、来年のコレクションのものなんです。景吾にはこれね」



箱の中には、チョコレートと、赤いボールのようなもの。


「これはね、ブルガリアのバラをそのまま固めたものなの。お風呂に入れるとバラ風呂になるのよ。ブルガリアのバラはとっても香りがいいから」


「ずいぶん豪華じゃねえか。ありがたく使わせてもらおう」


「素敵なお土産をこんなにありがとう聖梨奈ちゃん。さあ、朝食にしましょう。クランベリージュースが好きだったわよね?」

「ええ、ありがとうございます!美味しそう」
次へ
前の章へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ