KING RUMOR
□3 he is a knight
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跡部邸の前にリムジンが停まる。
聖梨奈の長い巻き髪とフレアスカートが残すのは、サンローランの香水の香り。
「おはようございます。ミカエルさん!お久しぶりです。
あなたにもプレゼントがあるわ。気にいるといいんだけど」
「・・・あの方が景吾様の」
「いいえ、それが・・・」
「景吾様にお似合いのお嬢様ですね」
使用人達は聖梨奈の登場にざわついている。
「おはようございます。おはよう景吾。お招きいただいてとっても嬉しいです。跡部ご夫妻にこれを。父と母からです。」
渡したのは、ワインと、ダイヤのついたタイピン、パーティ用のドレス。
「ワインは父のお気にいりで、すぐに飲んで欲しいって言ってました。でもこんなに天気のいい朝に渡すべきじゃなかったですね。ふふ」
跡部の両親は喜んでいるようだが、跡部本人はいつもと変わらないクールな表情。
「ドレスとタイピンは母のデザインで、来年のコレクションのものなんです。景吾にはこれね」
箱の中には、チョコレートと、赤いボールのようなもの。
「これはね、ブルガリアのバラをそのまま固めたものなの。お風呂に入れるとバラ風呂になるのよ。ブルガリアのバラはとっても香りがいいから」
「ずいぶん豪華じゃねえか。ありがたく使わせてもらおう」
「素敵なお土産をこんなにありがとう聖梨奈ちゃん。さあ、朝食にしましょう。クランベリージュースが好きだったわよね?」
「ええ、ありがとうございます!美味しそう」