KING RUMOR
□8 after the party
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リムジンから見る東京の夜景はいつだって綺麗なはずなのに、今日はそうじゃないみたい。
「どうしよう、今回のことでブランドが、デパートがどうにかなったら・・・私がステージに出る前にちゃんと確認してれば・・・」
「・・・・・あんな目に遭ったのに、そんなことを心配しているのか、 聖梨奈」
「え?私は大丈夫よ。まあ、一瞬でも裸を見られたのは恥ずかしいけど・・・モデルを仕事にするなら、そういうこともあるかもしれないし」
「強がってんじゃねえ」
跡部は聖梨奈を抱き寄せ、頭を撫でる。
「俺様の前で強がるんじゃねえよ」
「あはは、強がってなんかないよ。ほんとに大丈夫」
「・・・・・こういう時は素直じゃないんだな」
ベッドで眠る聖梨奈を横目に、跡部はバスローブ姿でワインを飲んでいた。
「・・・・景吾?」
「起きたか」
時刻はAM5:30。
「朝食にはまだ早いんじゃない?」
「すまない、家に戻る」
「・・・・もうちょっと、一緒にいてほしい」
跡部の表情は、いつになく冷たかった。
「俺たちは、一緒にいない方がいいのかもしれない」
「何言ってるの」
「少し考えさせてくれ」
「景吾、嫌だよ」
ドアが閉まる音が、静かな部屋に響いた。