KING RUMOR
□3 he is a knight
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朝食の後は、跡部邸のテニスコートへ。
「ふう、楽しかった。相変わらずの腕前ね」
「お前も上手くなったじゃねえか」
「私で相手になった?」
「ああ。お前はコントロールが正確だし、どう展開するか考えて打っているからな。面白い」
「景吾にほめられちゃった」
聖梨奈が見せた満面の笑みに、思わず跡部も笑顔になった。
「土産、ありがとうな。」
跡部からの突然の感謝の言葉に聖梨奈は少し驚く。
「どういたしまして。喜んでもらえて嬉しい」
「親父達はいつもは仕事が忙しいからな。こんなにゆっくり家族で朝食をとったのは久々だった」
「貴重な家族の時間に私がお邪魔して大丈夫だったの?」
「お前のおかげでこの時間がとれたんだ。お前が来ると聞いて時間を無理やりにでも作ったんだ。
どうやらうちの両親は未だにお前を諦めていないらしい」
聖梨奈は困ったような顔をした。
「それは・・・」
「近いうちにディナーかパーティに招待する」
「・・・・」
「お前の両親も一緒にな」
「私が聞きたいのはそんなことじゃない」
「・・・そうか」
「わかってるくせに」
「そろそろ部活の時間だ。また連絡する」
跡部はコートを後にした。