飛花落葉

□隠れて
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普段誉は全く運動をしない。
それを改善すべく短刀達が誉を追いかける日々が続いていた。

「はぁ…あいつらどんだけ動けるんだよ」

木の上によじ登り隠れていた誉を見つけたのは短刀ではなく。

「どうした主、そんなところに隠れて」

「あまり上を見るなよ。バレるだろ」

声を上げて探している短刀達を見て納得した三日月は誉が登っている木の根元に腰掛けた。

「なんでそこに座るんだよ」

「はっはっは」

三日月は他の刀剣にバレないようまっすぐ前を向いたまま木の上の誉に話しかける。

「見つかったのか。父母は」

誰にも言ってなかった。聞かれてもいなかったそれを、何故か三日月は知っていて。

「まだだよ」

なんて答えを返す。
そうか、と変わらない表情でいる三日月が何を考えてるのかなんて誉には分からなかった。

「あるじさん、みいつけた」

「乱!?」

すぐに見つけられたは誉また、短刀達から逃げるためその木を降りた。

「油断も隙もないな」

1人になった三日月が腰を上げる。木の根元に刺さっているのは彼の太刀。先には消えかかっている敵短刀の姿があった。

「随分と主は厄介なものに好かれるな」

そう言って握った刀の力を込める。

「あれは俺の主だ。お前達になんぞやらん」

砕けた短刀は誰にも知られず静かに消えていった。
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