悔いなき選択
□act. 04
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広げられた手の中に居たのは、一羽の小鳥。
ファーラン「どうしたんだ? 鳥なんて…」
少女「迷い込んでたんだ… 多分 通風口から… だから地上に出してやろうと思ってさ…」
ファーラン「お前!? まさか... その為だけに階段を 突破しようとしたのか?」
少女「コイツだって...地下街なんかより 空…飛びたいだろ?」
ファーラン「それはいいが… ソイツ 羽痛めてるぞ?」
少女「えっ!? マジで!?」
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少女が連れて来た小鳥に、手当てを施すファーラン。
少女「上手いね〜ぇ アンタ... あっ! そうだ!! アンタ名前は? 私はイザベル」
ファーラン「ファーランだ… あっちはリヴァイ… んで そっちがヴィレ」
イザベル「ファーラン… それとリヴァイの兄貴とヴィレの姉貴か!!」
名前を教えてもらい、嬉しそうな声を出す少女…基イザベル。
リヴァイ&ヴィレ「「兄貴?/姉貴?」」
イザベル「なぁ... 頼む! 私も仲間に入れてくれ!!」
ファーラン「えっ!?」
突然のお願いに戸惑うファーラン。
イザベル「あんた達 立体機動装置使ってただろ? 見たことあるんだ! あれ…スッゲ―羨ましかった… 鳥みたいに飛び回ってさ… 私も 使ってみたいんだ!!」
ファーラン「どうする? 2人共…」
ファーランに聞かれて、私とリヴァイは、無言で立ち上がる。
イザベル「ねぇ?」
“応えて”とでも言いたげな声と表情に、私達はイザベルの方を一瞥し、声を揃えて言った。
リヴァイ&ヴィレ「「此処に居たいなら“立体機動”より“掃除”を覚えろ…」」
そのまま、家の外へと繰り出す私達に、戸惑ったような声と表情で、ファーランの方を見るイザベルに、ファーランは優しげな笑みを浮かべて、深く頷いた。
それを見たイザベルは、パァァアアッと表情を明るくし、階段を下りて行く私達の背中に、感謝の言葉を投げかけてきた。
イザベル「ありがと!! 兄貴! 姉貴!」
その言葉を聞いた私達の口元は、微かに緩んでいた。