深緑の捜査官

□FILE.006
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〜 翌日 〜

海色「秀先輩 では一週間後に空港で…」

赤井「ああ… 遅れるなよ?」

海色「わかってるよ... じゃ…」

ホテルのフロントで、チェックアウトして、先輩はご家族と、私は昨日偶々砂浜で再会した工藤家の3人+α(蘭ちゃん)とで別れた。

〜 車内 〜

新一「お姉さんが 父さんと母さんの知り合いだったなんて…」

海色「フフッ... ボウヤ…いや… 新一君と有希子さん...優作さんとは アメリカで4ヶ月間一緒に生活していたんだけどな?...」

新一「ボク 覚えてない…」

海色「あ〜 仕方ないかもな… その時 新一君は3歳だったからな…」

そんな新一君との会話を、優作さん達はニコニコと笑みを浮かべて聞いていた。

蘭「新一のお母さん 今日は どこに行くの?」

有希「そうねぇ… せっかく熱海まで来たんだし 温泉巡りなんてどうかしら?」

海色「トリックアートで有名な所もあるみたいですね…」

私はそう言いながら、ケータイで熱海の観光名所を見ていく。

新一「トリックアート!? めっちゃ面白そう!!」

蘭「海色お姉さん“トリックアート”ってなぁに?」

海色「ある一定の位置から見ると その絵が立体的に見えたり 不可思議な形をした造形物がある形になったり 色々あるわよ?」

その事を聞いた新一君と蘭ちゃんの目が、次第にキラキラと輝いていくのを、ルームミラーで優作さんは見ていた。

優作「有希子 ここは新一達の行きたい所に先に行って 後から君の行きたい所に行くっていうのはどうだ? どうやら…新一達はトリックアートに興味があるみたいだからな…」

有希「そうね… じゃあ!其処へ行きましょう♪」

__________
――――――
 ̄ ̄

新一「すっげぇー!!」

海色「新一!! 大声を出しちゃ駄目でしょ!」

蘭「ホント!! すっごい不思議だね!! 新一!!」


到着して早々に、大興奮の新一と蘭ちゃん。

新一「おい 蘭!! こっち見てみろよ!! 立体化することが出来ない すっげぇ絵があるぜ!!」

蘭「新一!! これ見てよ!!上の方が絶対明るい色だと思ったのに この絵全部の四角形が全く同じ色なんだって!!」


展示されている、一見するとどんなアートなのか分からないオブジェも、ライトである方向から照らしてみると、壁に映し出されている影にビックリしたり、部屋の角を利用した飛び出して見えるアート。遠近法を利用したアート。部屋の傾斜を利用したアートなど、様々なものがあり、見て回った後の新一と蘭ちゃんは、大満足だった。

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―――――

〜旅館〜

有希「やっぱり熱海は温泉よね〜 気持ちいい〜♪ 1日の疲れも吹っ飛ぶわ〜」

本日のお宿となる旅館の露天風呂でうっとりしている有希子。

蘭「新一のお母さん!! お肌ツルツルになって気持ちいいね♪」

有希「そうねぇ〜 海色ちゃんも早くこっちのお風呂に来ればいいのに…」

そう言って有希子が見つめる先に居るのは、室内浴場にある温めの風呂。半身浴をしている海色である。

有希「蘭ちゃん 海色ちゃんを 呼んできたほうが楽しめそうよね♪」

蘭「新一のお母さん!! 私が海色を呼んで来ようか?」

有希「私達が海色が居るお風呂に行くのも 良いかもね♪ 蘭ちゃん!! 行きましょう♪」
… 海色 side …

客1「お嬢ちゃん こんな所で寝ないほうがいいよ〜」

客2「溺れても知らないわよ〜」


時差ぼけが抜けきれていないのと、昨日今日と動き回ったことで疲れ果て、うつらうつらとしている海色は、浴場に居るというのにも関わらずに舟を漕いでいて、今にも夢の世界に飛びたたんとしていた。


海色「(明日は 千葉の某赤パンツのネズミの王国に行くとか言ってたっけ… 秀先輩と泊まりがけで本場に行ったときは 先輩からあの黄色いドレスの姫コスさせられたな〜 先輩は何故だか海賊コスだったが…)」

思考の渦に呑まれ始めた海色は、本格的に寝入りそうになっていた。
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