深緑の捜査官

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〜 回想 〜

陣平『海色……落ち着いて聞いてほしい……』

貴女「どうしたの? そんなに改まった言い方して 何かあった?」

陣平『………父さん達が……何者かに殺 された……』

貴女「……………は? な…何で……そんな事に………」


アメリカへと飛び立った2ヶ月後に、兄から告げられた凶報。

その知らせを受け、再び日本へと緊急帰国をした海色。

両親の遺体無き葬儀(通夜.告別式)を終えて、未だに茫然としていた兄妹を前に、"大人達(親族)"は、「誰が引き取る?」だの「俺の所は無理だ!!」だの「私の所も 小さい子が居るから無理よ!!」だのと言い争っていた。

その話し声をBGMの様に聞き流して、兄妹で話し合いをしていた。


陣平「父さん達が 以前から組織犯罪の捜査をしてたのは海色も知ってるだろ?」

貴女「うん… 確か 日本だけじゃなく 世界的な規模でかなりヤバい人達が居るんだったよね…」

陣平「あぁ… アメリカ イギリス ドイツ… 世界各国の捜査官が潜入したりしてるらしいが 未だにその実態はおろかボスの正体も掴めず 難航してるって漏らしてたな…」

貴女「………まっ まさかっ!? お兄ちゃん!!父さん達その組織を追っていたとしたら? 信じたく無かったけど 口封じに消されたんだっ!! 奴らにとって“知ってはならない事”を知ってしまったがために!! それなら辻褄が合う!! お兄ちゃんは警察学校の生徒で寮生活 私はアメリカへの留学生でどっちも家に居なかったから消されずにすんだんだ……」

陣平「海色…… 俺は 警察官の職務の中の 機動隊"爆発物処理班"を目指す! 俺らの父さん達を奪った 爆弾事件を……… 罪の無い人達を一瞬で奪った物で これ以上の犠牲者が日本で出なくていいように!」

貴女「お兄ちゃん……… なら私は その事件を引き起こした元凶を……… 世界で暗躍し続けている"悪"を潰すためにも "絶対に"FBIの特別捜査官(エージェント)になってやる!!」


___________
――――――
 ̄ ̄

〜 現在 〜

海色 16歳
赤井 24歳

あの誓いから数年後、無事に大学の医学部を卒業した私は、大きな病院で外科医として活躍する傍ら、空いた時間にはFBIの捜査官になる為に、FBIへと入った赤井先輩に、対人格闘術(截拳道[ジークンドー]),射撃,ハッキングを。兄(陣平)に、爆弾解除のノウハウを叩き込まれる生活を送っていた。


pllll...pllll

ERの医局に響く急患の搬送の可否を問う電話が鳴り響く。
(※会話は全て英語でやり取りしています。)

貴女「はい 〇〇〇〇病院です」

救急隊『30代の女性で 急性虫垂炎です!! 受け入れ可能ですか?』

貴女「受け入れます!!」

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 ̄ ̄

〜 オペ室 〜

貴女「メス」

オペ看「はい」

貴女「止血 セッシ」

オペ看「はい」

貴女「ミペイツ」

オペ看「はい」

貴女「長セッシ」

オペ看「はい」

貴女「(ん? 見当たらないということは もしや…)」

ダグラスか(直腸と子宮の間の窪み)を探る。

貴女「(ビンゴ!!)虫垂切除!」

オペ看「はい」


※ドラマ医龍1第2話を参考にしています。
用語に関しては、視聴しながらの為間違いがあるやもしれません。
悪しからずご了承下さい。
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 ̄ ̄

〜 オペ終了後 〜


オペ看「お疲れ様です」

貴女「貴女も機械出しお疲れ様! 私のスピードにきちんと合わせてくれて とてもやりやすかったわ ありがとう!!」

オペ看「そんな… この病院の外科医でも トップレベルの 松田先生にそんな事を言ってもらえるなんて…恐縮です!」

貴女「じゃあ 私は御家族の方々に説明して来るわね!」

オペ看「はい!!」


オペの為に着ていた患者の血がついた手術着を脱ぎ捨て、待合室へと向かった。


男性「先生… 妻は… 妻の手術は…」

貴女「大丈夫ですよ 手術は成功しました」

男性「あっ… ありがとうございます!!」


患者の夫である男性に、何度も感謝の言葉を述べられ、今後の事を話して説明を終えた。


〜 休憩室 〜

オペに入っていて、遅い昼食を摂っていた時に、胸ポケットに入れていたPHSが鳴った。
貴女「どうした?」

看護師『すみません 松田先生… FBIの赤井という方から 先生に直ぐに来てほしいと電話が…』

貴女「分かった 場所の指定はあったか?」

看護師『はい 場所は_______』

貴女「了解! 直ぐに向かうと相手に伝えてくれ 」
看護師『はい!!』


ピッ!!という電子音をたてて切れた通話。

急いで必要となるであろう物を持って、先程の通話で指定された場所へと向かうために病院を飛び出した。

駐車場に駐車場していた愛車 マセラティに乗り込み、目的地へと発車させた。
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