鬼灯夢
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「お夜食とお茶お持ちしましたー」
「はぁ、助かったー。麻耶ちゃんあのね、これからはめちゃくちゃ急いで戻ってきてね!」
閻魔様は顔がボコボコになっているが、何かあったのだろうか
「ありがとうございます。もう遅いですし、やはり上がってください。」
眠そうにしているのがバレたのか鬼灯様は促す。
「すいません。子どもみたいに...閻魔様もごめんなさい。」
「いえ、そもそも私が業務外の事を要求したのがいけません。気にせず今日は休養を摂ってください」
「麻耶ちゃんいつも頑張ってるから先に帰るのぐらいいいよ〜。眠そうだし、早く布団に入るといいよ」
鬼灯様も閻魔様も気を使ってくださる。
「それではお先します。」
「あ、麻耶さん。一応『鬼伏』についての講演会企画について何か構想を練って頂くと有難いです。」
鬼灯様が出かけに一言。了解しましたと告げて私は帰路についた。
あくびを咬み殺す私を見下ろす2つの影に気づくことはなかった
03 おとぎ話のような