鬼灯夢

□04
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帰り道。鬼灯様と同じ官舎なので一緒に帰る

「アレだけ飲んだのに酔ってないですね。」

「節度を弁えただけですよ」
もうすぐこの生活も2ヶ月になろうとしていた。
鬼灯様に聞きたいことがあった。
自惚れなら笑われればいい

「あの...ずっと聞きたかったんですけど若干失礼かもしれないんですけも」

「なんですか?こんな席の後ですし気にしません。どうぞ」

「あの...私に気があると考えていいんですか?」

ちょっと間が空いてアゴに手を当て首をかしげた鬼灯様
やはり勘違いか。恥ずかしい。
下を向いてすいませんと言った。

「いえ...恥ずかしながら気があるとか好きとかあまり感情としてないんですよ。幼い頃に死んですぐ鬼になってすぐに仕事漬けなので」
私はいよいよ恥ずかしい。振られるのか!4話目にして!

「でも、麻耶さんの事は始めは面倒だと思いましたが今は嫌いではないです。」
なんだか別の意味で恥ずかしい。

「貴女が他の人のところに行くのは嫌ですよね。それで高雄さんと仲良くしておいて損はないだろうなと。本当にこの感情はなんなんでしょうね」
なんなんでしょうね!私にも分からんですよ!と思いましたが何も言わないでいた。

「着きましたね。では麻耶さんおやすみなさい。」

「はい。おやすみなさい鬼灯様。」

「ゲホゲホ...!」

「鬼灯様お風邪ですか?」

「いえ、大丈夫ですよ。では今度こそおやすみなさい。」
私は咳をする護衛対象を心配しながら帰路に着いた

私自身は鬼灯様には怖いなって言うことときっちりした人とは思うけれど好きとは違う。

あくまでも護衛とその対象。

私自身もこの名前のない感情に困惑した

04 名前のない感情


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