鬼灯夢
□05
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キ、キルしていいですかー!?
私は身の危険を感じて飛び退いた
「い、いやキルはちょっと」
「すいません。私もちょっと疲れてるみたいです。」
「じ、じゃあ私は失礼致します。寝ていないとだめですからね?」
私は血の気を引きながら鬼灯様の部屋を出た
「...はぁ」
「麻耶の上司はそんなに怖いのか?」
私の焦り具合を見たのか春一さんが心配し始める
「大丈夫。キルしていいかって聞かれただけ...そう。普通。きっと普通」
私は深呼吸。
「なぁ、麻耶。そんなに嫌そうならオイラたちの所に来いよ。オイラ麻耶を困らす奴嫌いだ」
へ?と思わず口に出る
「は、春一さん?一応仕事が嫌なわけでは...」
第一、グロ、拷問NGの私が務められる職があまりにもないのが悪いのだ。
でも先祖とかの兼ね合いで特別に用意してもらった職なのだから文句なんてご法度だろう
「オイラ麻耶の事好きだ」
ストレートなもの言いに黙る私
過ぎる時間
言われた言葉を認識して脈を早める鼓動
壁際に追い詰められる私
静まる音 高鳴る胸 近づく距離
針が動いたような音
時が止まる
05 難聴と戸惑い