鬼灯夢

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「...麻耶ちゃん。これはどういうこと?」
いつもは温厚な閻魔大王様も流石にプンプン。

「どういうことも何も...こういう事になりまして。」

「まぁ!縁談ね。素敵だわぁ。」
春一さんの事があってから3日。まさかの閻魔殿に私宛てに人員配置希望が届いた。
もちろん。差出人は八寒地獄の春一さん。しかも役職欄に『嫁』って書いてある。やめろやめてくれ...

「麻耶ちゃんこういう事は前もって言ってよ。僕も鬼灯君になんて言っていいか分からないよ。とにかく結婚おめでとう。」
閻魔様おかしい!それはおかしい!

応援に来てくれている樒さんはあらあらうふふと赤飯の準備。

「あの!まだ告白されただけで私は了承してないです!やめてください!」

「まぁ。春一君が自由奔放なのは今に始まった事じゃないし。でもあっちの要望却下するにも条件あるだろうし...鬼灯君が戻るまで保留かなぁ。」
鬼灯様が戻られるまで保留。
それが正しい判断なのだろう。

その時、閻魔殿の扉が開く
息を切らし、ちょっと顔が白い鬼灯様が立っている。

「その縁談...ちょっと待った。」
いつも以上に不機嫌そうな鬼灯様に私は血の気が引くしかない。

「鬼灯君!?ダメだよまだ君は自宅療養中でしょ!?」
閻魔様があわあわと対応する。

「麻耶さんの人事希望。私が行って潰してきます。ついでに八寒地獄の皆さんへ『お礼参り』してきます。」
...ん?お礼参りって聞こえた?
ご挨拶とかではなく?

「麻耶さん八寒地獄へ向かいます。寒冷地用装備の手配を」
私はその場に立ち尽くす。

「私もですか?」

「当たり前でしょう。私の護衛なのだから。」
そう言われてハッとした。鬼灯様がお戻りになった以上私の仕事は鬼灯様の護衛のみ!
すぐに寒冷地用装備のある倉庫へと走っていく。



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