鬼灯夢

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「...もう戻れないのね」
代々伝わる我が家の宝刀『霧伏』にヒビが入る

鬼伏家第13代当主 鬼伏麻耶
この物語の主人公は病に侵されていた

「先に逝きます。姉上...幸せに」
この病を治せる医者はいない。
しかし、これは病ではない。
言うなれば呪いだ。


私の意識が落ち。死を自覚する。




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「わぁー!」
大きな音を立てて茄子がハシゴから落ちた。
「何やってんだよ大丈夫か?」
音を聞きつけた唐瓜は様々な資料に埋まる幼なじみを掘り出す

「大丈夫ですか?鬼でも落ちたような音でしたが。」
本編の主人公。鬼灯が顔を出した。

「あ、鬼灯様ー!」

「いやぁ、すいません。大丈夫です。」
性格が出る受け答え。
鬼灯は周りに落ちた資料を集める。

「ところで鬼灯様はどうしてココに?」
茄子が資料を集めながら聞く

「あぁ、もうすぐ鬼伏の家系が死ぬらしくて。その準備ですね」

「鬼伏の家系?」「なんですかそれ?」
小鬼2人は聞く

「字のとおり我々鬼を代々切り伏せてきた家系です。それ故に裁判の対象から外れます。そして死後、獄卒として働いてもらうのです。」

「んー。それがどうして裁判の対象外なの?」

「あのなぁ、現世で言う鬼っていうのはな本物の事なんてほぼないんだよ。ある意味、現世での粛清を買って出てるんだろその人たち。でも人殺しは重罪だ。だから輪廻の輪から外れる代わりに罰は受けず働けって事だろ?」

「ふぅーん。」
唐瓜は分かったのかよ...と眉間にシワを寄せている

「唐瓜さんの説明で8割当たりです。まぁ今回は特殊な事情なんですよね。」
鬼灯の機嫌はすこぶる悪そうだ。
この分だと閻魔は半殺しだろう

「特殊な事情?」

「はい。大体、『鬼伏』の名前を持つ男...要はその代の当主が対象となるのですが、今回は女性が来るらしい。」

「えー!なんでー!すげー!」
語彙力!と唐瓜はツッコミを入れた

「まぁ、普通の女性は婚姻時に持った名字は捨てるのが一般的でしょう。その時点で『鬼伏』では無くなるのです。推測するに男児が産まれなかったか、当主を継いだが嫁の貰い手がなかった...と言うことでしょう」

「少子化って怖いね唐瓜」

「少子化そんな関係ないなこれ」


「では、資料も見つかったので失礼致します」
そう言うと鬼灯は資料室を去った
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