鬼灯夢
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「あー!鬼灯様ー!」
真っ白い犬が鬼灯様に挨拶をした。
「こんにちはシロさん。さて、この白い犬こそ桃太郎さんの家来です。」
「綿あめみたいなこの犬がお犬様!?」
雪のように白いお犬様が私の前に来てくれた。
「おーいシロ!サボってると叱られるぜ」
「早く戻った方がいいぞ」
「あ、柿助!ルリオも!」
...今私の目の前には犬、猿、雉。
ということは?
「麻耶さん察しが良くて助かります。そうです。この3頭は桃太郎さんの元家来です。」
「あわわわ...!」
ちなみに桃太郎神社という場所に桃太郎様、犬様、猿様、1つ空いてキジ様のお墓とされる石が祀ってあります(本当)
「鬼灯様。この女性は?獄卒ではないようですが」
ルリオが聞いた。
「あぁ、鬼伏麻耶さんです。ちょっとワケありで彼女は獄卒ではありません。今は私の護衛をお願いしてます」
鬼灯様の言葉にお犬様はすかさず言葉を挟む
「え!?鬼灯様護衛なんていらないじゃん!」
「シロさん...?」
「ヒィ!!?」
誰もが考えるこの考えを口にし、鬼灯様に睨まれるお犬様。
「なぁなぁ。『鬼伏』って桃太郎の刀の影打を持っていったって言うとこじゃ?」
お猿様。流石です。そうなんです。
本来刀と言うのはお偉いさんがお金をたくさん出して何個も作った中で1番出来がいい物を商品として渡したものを真打と言う。
渡すに至らなったその他を影打、裏打と言うんです。
刀をイケメンにした某ゲームに登場してるのはきっと有名だから真打だろう。
しかし、その影で...もしかしたら真打になり損ねた子たちがいるのだと思うと...奇妙な気分になる。
おっと話が逸れてしまった
「はい。その『鬼伏』です。あの後は代々鬼を切り伏せる家系として細々と生きてました。」
「俺の子孫は鬼伏に引き取られて行ったって聞いたけどな」
「え!?ルリオ子供とか奥さんいたの?」
キジ様の衝撃発言にお犬様は呟いた。
一応、我が鬼伏家に3代前まではキジ様がいました。いつの時代も大切にしてきたつもりです。
しかし、その最後のキジ様。
奥さんを娶らず亡くなってしまいました。結局そこでお家が途絶えることとなってしまいました。
それを伝えれば少し寂しそうな顔をしたキジ様
「...鬼伏家が無くなるって分かっていたのかもしれないですよ。私もあのキジ様にお会いしたのは数回ですけど、人の言葉を理解しているような感じでした」
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