鬼灯夢
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「なん…だと…?」
ヒビが入った鬼伏家宝刀『霧伏』を見せたら御先祖様たちこの表情
「このバカ子孫が!桃太郎様の刀の兄弟刀にヒビを入れるとは!!」
初代。やはり怒りますか。高雄おじいちゃん怒鳴ってばかりだぞ。
「まぁまぁ。そのくらいに...麻耶さんだってわざとではないだろうし」
桃太郎さんが言うとスムーズに事が収まる。
「桃タローくんって実はものすごい人?」
「日本の昔話top3があれば間違いなく彼が1位でしょう。当たり前ですね。鬼伏の家系から言えば桃太郎さんは神様みたいなものでしょう。」
犬猿の仲の2人が穏やかな会話。珍しい。
「霧伏の事もありますし、やはり刀はお返ししたいです。」
「いや、刀は麻耶が持ちなさい。最期とはいえ、当主は麻耶だ。その刀はお前の物だ」
高雄おじいちゃん...!ヒビが入った刀を鞘から出すことは少なくなったが、この刀は間違いなく家宝だろう。
「...にしてもこの刀、邪気が多すぎるな。最後の魂送りはいつやったんだ?溜まるモン出さないと刀は弱くなる。」
...ん?『魂送り』?なにそれ
「鬼灯様...『魂送り』って何でしょうか?私初耳なんですけど」
「一般的な霊送りならお盆に送り火を焚いて先祖を送り返すことですけど、それではないでしょうね。」
そこで鳥海おじいちゃんが手を挙げて言った。
「あの...魂送りってなんですか?僕が当主の時はそんな事してないですよ?」
沈黙が流れた。確かに初代と2代目は年老いてるのに3代目の鳥海おじいちゃんだけ若い。
「鳥海お前...まさかとは思うが魂送りを継承しなかったのか?」
愛宕おじいちゃんは震えている。かなり重大な問題なのだな。
横を見れば。あ、鬼灯様が頭を抱えてる。
「麻耶さんの突拍子もない行動やニアミスは血筋ですね。」
え!?私そんなミスした!?突拍子もない行動なんてして...
「まぁ、ボクはそのおかげで麻耶ちゃんに会えたけどね。仙桃の木に登る女の子なんて初めて♪」
あ、桃の木登ったわ。サーセン
「どおりで3代目以降から短命になる訳だ。ヒビが入るのも仕方ない。麻耶お前はよく呪いを抑え込んでここまで『霧伏』をこっちまで持ってきた。よくやった。」
「麻耶さんに正当な評価がついて上司である私も幸せです」
鬼灯様が上司をやや強調して話す。
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