・kurobasu

□可愛いのはどっち?
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「室ちんってさ〜、可愛いよね〜。」

突如アツシの口から出た言葉に、オレは首を傾げた。

「可愛い??」

「うん〜。ほら今も、子供みたいな顔してるもん。」

そんなことを言ったら、いつも子供のようにお菓子を頬張るアツシはどうなるのか。

「お祭り、そんなに楽しい?」

「ああ、とっても。」

今日オレ達は、地元の秋祭りに来ていた。
賑やかでとても楽しいが、それはアツシも一緒のはずだ。
左手にはわたあめ、右手にはリンゴ飴、腕には射的でgetしたお菓子の袋がかかっている。


…アツシの方がよっぽど楽しんでいると思うんだが。

「アツシ。」

「んー?」

「アツシの方が可愛いだよ。」

「え〜、そんなことないし〜。」

ちょっと不満げに言うアツシ。わふっ、とわたあめを食べるその姿はとてもcuteだ。2mの大男が、小動物に見える。

「そんなことあるさ。可愛いって言われるの、嫌いなのか?」

「んー、嫌いってわけじゃないけど〜。」

「うん?」

「俺さ〜、背が高いでしょ〜?」

「ああ、そうだね。」

「だから、怖いって言われたことはあるけど、可愛いって言われたことは無いから、違和感があるんだよね〜。」

そういうアツシの頬は、少し赤い。
…それってつまり。

「可愛いって言われ慣れてなくて、照れてるってことかい?」

「はぁ〜?違うし…っ!」

相変わらずアツシの横顔は照れている。
ああ、やっぱり。

「うん、アツシの方が絶対可愛い。」


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