・haikyu-!!
□初恋ソーダ
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side赤葦
例えるならそれは、
甘くて、しゅわしゅわしていて、
まるで、ソーダのような
(…俺には到底、似合わないような)
そんな感情。
「…それで、………あかーし?聞いてた?」
「…え、あっ、………」
自主練後、2人きりの帰り道。
隣を歩くのは、うちの自慢のエース。
「もー、どしたの!!!最近ぼーっとしてない!?」
「そんなことないですよ。」
「そんなことあんの!なに、なんか悩んでるの??」
「…大丈夫です。……それで、どうしたんですか?」
「…あっ!そーそー、その時木葉がさー…__」
"それ"は最近頻繁に起こる。
唐突に木兎さんがかっこよく見えて、すごくすごく、好きになる瞬間。
例えば、
部活中ふと見えた、たくましい腕に
帰り道、太陽の光を照り返す銀色の髪に
目が合った時の、色素の薄い黄金の瞳に
あ、
好きだなって思う。
だけどもちろん、伝えられないし伝える気もない。
こんな気持ちは、蓋して、心の中にしまっておこう。
俺はただ、
いつも通りあなたのそばに立てたら
あなたに、トスを上げられたら
それで、それだけで満足なんです。
だから、
(頼むから、一緒にいるだけで、ドキドキしないで)
そう、自分に言い聞かせた。