・haikyu-!!
□迷子のカラスの子
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昔々、とある森に。
小さなカラスが住んでおりました。
そのカラス、名を「ひなた」と言いました。
ひなたには、悩みがありました。
『家族も友達も、みんなみんなあの空を自由に飛べるのに、俺だけ飛ぶことが出来ない。』
ひなたは、羽を持っているにも関わらず、飛べないカラスなのでした。
そのため、周りのカラスにいじめられ、1匹ぼっち
という訳でもなく、友達や家族たちにたくさん愛され、元気で優しい子に育ってゆきました。
そのひなたが住む森の、もう少し北に行ったところに、「かげやま」というカラスが住んでおりました。
ひなたとは正反対で飛ぶのが上手なカラスでした。
みんなからは「天才カラス」と呼ばれ、尊敬され
ていた訳でもなく、むしろその才能への嫉妬と、本人の性格に難があるところやコミュニケーション能力の問題などから避けられ、1匹ぼっちで暮らしていました。
かげやまは、とくに気にしていない風にしていましたが、
本当は誰よりも寂しがり屋なのでした。
そんな正反対の2匹が、
ある日森で出会いました。