Main3(The Dancer)
□The Dancer
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8:40 職員室
あたしとミアはロビン先生のいる職員室へと歩いている。
「ありがと、ナミ。よいしょっと。失礼します、ロビン先生」
「ミア、昨日は電話してくれてありがとう。
少しでも早く気付けてよかったわ」
「ナミ達のおかげです。1人じゃたぶん、放っておきました」
「貴女らしいわね。…ナミ、秋には3年生も引退するし、ミアの復帰にも時間がかかる。トップを増やす必要があるわ」
「ええ、そうね…少し早いけど1年のポジションを確定させるわ」
ちゃんとロビン先生に先に電話してたのね。
きっと相当責任を感じてる。あたし達がミアの為に今できることって、何なのかしら。
8:50 廊下
「ごめんね、ナミ。」
「あんたが謝る必要ないわ。でも最短で治してよね」
「努力するよ。…少しリハビリしたら手術するって。みんなには内緒にしてね、手術すること」
「はぁ。まったく!死ぬわけじゃないんだからそんな顔しないの!」
「うん、なんかさ!独りぼっちになった気がして!今日の部活で自分の口からみんなに報告する、復帰に半年以上かかること。」
「…良いわ。どっちにしろ今日はミーティングに変更ね。もちろん、ポジション決めとか振りの構成にはこれからもがっつり関わってもらうわよ?」
「ありがとう、ナミ。」
ミアがたかが怪我だけで独りぼっちになることなんてあり得ない。第一、チア部にはミアがいないと駄目なのだ。何弱気になってんのよ、と背中をバシッと叩いてやろうと思っていた時、廊下の向こうからクールな出で立ちの生徒が歩いてきた。…まぁどうせすぐくねくねになるんだけどね。
「んナミさーーーん!ミアちゅわーーん!」
…ほらね。
「おはよー!」
「あんたね…」
一応先輩よ?と言おうと思ったが自分自身サンジ君の扱いは結構雑な方かもしれないと思い、やめた。
「ミアちゃん、やっぱり怪我したって本当だったんだね」
あら、サンジ君が先ずミアに話しかけるなんて珍しい。
「うん、松葉杖って大袈裟な感じだけど。
コレないと膝使っちゃうから。」
「そっか。俺にできることがあれば何なりと。レディ。」
「ありがとう」
「あのー、あたしも居るんですけど?」
強気に言うとサンジ君の顔がみるみるうちにデレデレになっていく。
「ナミさん!俺は好きなものは最後に取っておくタイプなんだ!どうだい?今日うちにご飯食べに来ないかい?」