Main2(The rain in the rose garden)

□The rain in the rose garden1
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「マーガレット!起きろ!置いてくぞ!」

「エース…いま何時?」

「夕方の6時半!」

「どこ行くの?」

「酒場に決まってんだろ!」

「待って!」

「いつものとこだ!来れるか!?」

「行ける行ける、はいはいお先にどうぞ!」

1番お気に入りの青いドレスワンピースに、ヒールに、アイシャドウのコンパクトを開いて瞼に乗せる。うんうん、良いかも。カツカツとヒールを鳴らすのは久しぶりだ。胸も高鳴る。眠りから覚めたら頭がすっきりした。マルコさん達はもう飲んでいるだろうか。今日はダリアさんよりも素敵なレディに見えるかな?

「マーガレット!?」

「お待ちどうさま〜!私今日は飲まないよ!所々記憶がないんだから!」

「え!?記憶無いの?!」

「ちょっとね!まぁでも、」

「…ダリア。」

「あらマルコ。ふふ、良いわよ。かわい子ちゃん、お酒を飲まないのならお家へお帰りなさいな?」

「あら、お酒を飲めばここにいて良いの?」

「もちろん。ごゆっくり。"あたし達"は外すけど。」

ダリアさんが猫なで声でキスをねだり、マルコさんがそれに応える。
マルコさんはダリアさんの腰に手を添えて、酒場を出て行った。

「はは、すごい大事なピース拾った。」

「っ!早く追いかけろ!」

____
走って走って。すぐに視界に捉えた。

「待って!」

どうして止まってくれないの?

「思い出したの!」

聞こえてるくせに。

「…ガキが来るとこじゃねぇよい。」

「良い子はお帰りなさいな。」

ああ良いさ。くるりと踵を返して、私はモビーに帰って、ヒールを海にぶん投げて服をぐっちゃぐちゃに脱ぎ捨てて。朝飲んだ薬の瓶はドアにぶち当たって粉々に割れた。

____
「Margaret?! You awoke?! (マーガレット?!目が覚めたの?!)」

「…How many days did I asleep?
(何日寝てた?)」

The rain in the rose garden1 END.


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