Main2(The rain in the rose garden)
□The rain in the rose garden2
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「肩上1センチくらいで!!」
「わかったよ!にしてもすごい久しぶりだね!髪色これでいい?」
「クリスマスに帰り損ねたんです。はい、それで!」
「…へぇ〜、それは大変だったね。ストレス、とかかな?やっぱり。」
「もう至って健康で。テスト前日に起きるわ寝てる間に貴重品は盗られるわでもう災難でした!」
美容院でのお喋りは好きなほうだ。雑誌読んで切られすぎちゃうよりは、前見てお喋りして髪型の仕上がりを逐一確認したい派だ。
お会計を済ませて、エレベーターを降りる。
エレベーターの中眩しいな。照明変えたのかな?
「うわさっっむい!!!!どうした日本!!」
「マーガレット…?」
「え…誰?」
「マーガレット!お前!どこ!行ってたんだ!よ!」
「待って待って!やめてください!人呼びますよ?!」
「おう!呼ぼう!みんなーーー!マーガレットが帰ってきたぞー!!」
____
やばい、え?この人大きすぎない?
「グララ…どこほっつき歩いてた?」
「え?あの、表参道の美容院行って、帰りは原宿までひと歩きしようかなっ、て…?」
「そうか、よく帰ったな。お前ら、酒用意しろ。」
エースっていう人曰く、私は前ここにいたことがあるらしい。その証拠に私の部屋まであったのだ。
「あ!私のダッフルコートがある!着よ!」
「3年も戻らねぇでよ!とんでもない妹だ!」
「あー!私の鞄!待てよ…ほらほらほらほら、スマホも財布もある!」
「話を聞け!マーガレット!」
"マルコが帰ったぞー!!!"
「行くぞ!マーガレット!」
「え、ちょ、待って!」
奇抜な髪型の人と対面させられて、周りを大勢に囲まれる。なに、ほんとなに。
「…マーガレット…?」
「どうだ!思い出したろ!」
「…え、何を?」
「このパイナップル誰だか分かるか?!」
「それってなぞなぞ?パイナップルは名前のヒント?」
あぁー、と落胆の声がすごい。何だっていうんだ一体。
「ていうか…皆さん日本語お上手ね!なんでマーガレットと名乗ったのかしら?冬花の方が呼びやすかったらそう呼んでくださいね?」
「冬花?誰だよそれ!」
「私よ!マーガレットはイングリッシュネーム!」
「な、なんだよそのイングリッシュネームって!」
「イギリス人は冬花って名前に馴染みがないの、だから現地の人の名前を…」
「嘘ついてたのか!」
「そんなつもりないわよ!多分だけど…
しょうがないでしょ、覚えてないんだから」
「本当に覚えてないのかよ、なんも。」
「何を?ここのこと?覚えてない。」
「ふざけんな!お前は俺の妹で!冬花じゃなくてマーガレットなんだよ!」
「ふーん。もぐもぐ。」
「おい!チョコレートバーを食うな!サッチの飯が1番美味いって言ってただろ!」
「うるさいなぁもう。朝イチで美容院行って2時間座ってたんだから、お腹も空くでしょ…なに?食べる?」
「いらねぇよ!やっぱ食う!うめぇ!何で髪切っちゃったんだよ!」
「伸びたから!」
「似合ってるから良いけど!とにかく!兄ちゃんが思い出させてやるからな!」
「はいはい。」
「何だその返事!」
「「「「いい加減にしろエース!」」」」
ほらな。みんな寂しいんだよ。マルコなんてひでぇ顔してるだろ?なんで急にいなくなって、戻ってきたら全部忘れてんだよ。
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